手の使用について審判に注意を促していたパッカーズTバクティアリ
2019年10月17日(木) 00:26NFLの試合では、何事も他との関わりを持たずして起こることはない。それにはペナルティも含まれる。
両チームの選手やコーチたちは試合が始まる前からそれぞれ意識してレフェリーに働き掛けを行っている。中には、試合の週の記者会見を使って一定の物事への注意を促すコーチもいるほどだ。試合中は、そうした政治工作がいっそう強まる傾向がある。
デトロイト・ライオンズのディフェンシブエンド(DE)トレイ・フラワーズに手の使い方に関する違反があったとして、2度にわたるペナルティが出されたマンデーナイトのグリーンベイ・パッカーズ対ライオンズの試合もそうだった。試合は23対22でパッカーズが勝利している。その2つのペナルティを誘発した左タックル(T)のデービッド・バクティアリは、フラッグが投げられる前からレフェリーに注意喚起をしていたという。
「レフェリーのところに行って声を掛けたんだ」と試合後バクティアリは『Green Bay Press-Gazette(グリーンベイ・プレス・ガゼット)』のライアン・ウッドに語っている。「こう言ったよ。“なあ、ハンズ・トゥ・ザ・フェイスの違反はもう取らないのか? この3プレーで俺はずっと無理やり空を見せられていたんだけどな”ってね。彼はこっちを見ないふりをしていたよ。でも、少なくともそれで注意を引くことはできた」
アンパイアは確かにバクティアリの不満に気付いたようで、その後2回、重要なフラッグを投げることになる。一方、フラワーズの方はペナルティについて異なる視点を持っている。NFLのフットボール運営部門上級副社長であるトロイ・ビンセントは15日(火)、フロリダで開かれた秋季リーグミーティングで、最初の判定は正しかったものの、2回目のものはファウルではなかったと述べた。
バクティアリに言わせると、問題となったプレーでコンタクトがなかったとしても、他の場面ではそれが起きていたという。
「俺は断言できるぜ」とバクティアリは述べた。「試合のかなりの部分で俺は喉にパンチを食らっていた。そしてずっと空を見せられていたんだ。考えてみなよ。手が喉に当たっているんなら、フェイスマスクにもぶつかっているだろう。それで俺の頭は上に押し上げられていたんだ」
バクティアリの事前の嘆願に加えて、演技なのか物理的偶然なのか、彼の頭がのけ反るように動いたことで、フラワーズの手は顔まで届いていなかったにもかかわらず2回目のペナルティが出され、試合は決定づけられた。こういうことがあるからこそ、いくら視聴者がイライラしようとも、毎プレーのように選手やコーチたちがオフィシャルに食ってかかるシーンがなくならないわけだ。好ましい判定を引き出せる実証済みのメソッドがある以上、それをわざわざやめようと思う者はいないだろう。
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