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QBプレスコットがタグでプレーするのはカウボーイズに不利?

2020年06月01日(月) 10:28

ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【AP Photo/Ron Jenkins】

NFLでも最も長く続くドラマの一つが、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットのダラス・カウボーイズから長期契約を得るためのクエストだ。

フランチャイズタグをつけられたプレスコットは2020年にタグの下でプレーするためのテンダーにまだサインしておらず、カウボーイズとの長期契約も折り合いがついていない。

プレスコットの契約状況は昨シーズンに入る前から報道に取り上げられる話題であり、その状況は今も続いている。

すべてがどう展開していくかは今後次第だが、『NFL Research(NFLリサーチ)』が示す歴史からは、プレスコットがタグの下でプレーすることはカウボーイズの長期的な未来にとってあまり良い予兆にはならないことが暗示される。

1993年にタグが導入されて以来、QBにフランチャイズタグがつけられた例は11件あった。プレスコットを含め、タグ付けされたQBは8名だった。

プレスコット以前にタグの元で1シーズンをプレーした選手は2人いる。カーク・カズンズとドリュー・ブリーズだ。そしてカズンズとブリーズはそれぞれ、別のチームと長期契約を結ぶことになったのだ。

カズンズはワシントン・レッドスキンズによって2年連続でタグをつけられた後、2018年にミネソタ・バイキングスと3年6,600万ドル(約71億1,600万円)の契約を締結している。レッドスキンズがドラフト4巡目で指名した選手であるカズンズは、ルーキー契約に続いてタグでプレーした後、ミネソタへと移っていった。

同じくルーキー契約でサンディエゴ・チャージャーズ(現ロサンゼルス・チャージャーズ)でプレーしていたブリーズは、2005年にタグの下でプレーした後、ニューオーリンズ・セインツと6年6,000万ドル(約64億7,000万円)の契約を結んでいる。

カウボーイズが2016年に4巡目で選択したプレスコットは、ルーキー時代にプロボウルに選ばれて以来、NFLでも最も優れた掘り出し物の一人として活躍してきた。『Sportrac.com』によれば、キャリア最初の4シーズンで平均したプレスコットのサラリーは、1年あたりわずか68万848ドル(約7,300万円)になるという。タグにサインした場合、プレスコットは2020年に3,140万ドル(約33億8,600万円)を手にすることになる。傑出した選手であり、耐久性のモデルでもあるようなプレスコットは、64試合連続先発という形でキャリアをスタートさせた。プレスコットは2019年に最も優れた数字を残し、キャリアハイの4,902パッシングヤードとタッチダウン30回をマークしている。

そんなプレスコットがタグによってプレーすることになるのか? もしそうなるなら、プレスコットはブリーズやカズンズと同じ道をたどるのだろうか? 答えはいずれ分かるだろう。

フランチャイズタグを指定されたQB(NFLリサーチによる)

ダック・プレスコット:カウボーイズ/2020年
カーク・カズンズ:レッドスキンズ/2016年、2017年
ドリュー・ブリーズ:チャージャーズ/2005年、セインツ/2012年
ペイトン・マニング:インディアナポリス・コルツ/2004年、2011年
マイケル・ビック:フィラデルフィア・イーグルス/2011年
マット・カッセル:ニューイングランド・ペイトリオッツ/2009年
ジム・ハーボー:コルツ/1996年
スティーブ・ヤング:サンフランシスコ・49ers/1993年

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