NFL、制度的な人種差別との戦いに10年で266億円を寄付
2020年06月12日(金) 11:27数年前に選手たちが警察官による暴行や人種的な不平等に抗議したのがきっかけで社会正義に関するプログラムをスタートしたNFLが、制度的な人種差別に取組んでアフリカ系アメリカ人たちが直面する不公正との戦いを支持すべく、10年にわたって2億5,000万ドル(約266億9,000万円)を寄付することを現地11日(木)に発表した。
以前に初めてコリン・キャパニックがひざをついて抗議の意思を示したときには混乱していたリーグにとって、今回の貢献は選手の支援に向けた大きな一歩であり、ジョージ・フロイドさんが3週間ほど前にミネアポリスの警察官によって身柄を確保されている際に亡くなったことを受けて広がった問題をリーグに浸透させるものだ。
リーグのプログラムをよく知る人物は、リーグが社会正義のための活動でキャパニックと共に働くことにさえも前向きだろうと話している。
「コリンや他のプレーヤーたちの働きがなければ、われわれは今のこの場所にはいなかっただろう」とその人物は言う。
「それがカギだ。われわれは選手たちの声を聞いた。もっと聞くことが必要だし、もっと速く動かなくてはならない。彼らから話を聞き、社会正義のプラットフォームを打ち立てた。それは、コリンがそこに抗議していたからだ。選手たちはこの努力とキャンペーンにおいて、いつも重要なピースだった。われわれがやっている仕事の一部でコリンと連携できたら素晴らしいだろう。彼は本当にインパクトのある仕事をしている。何らかの方法で彼と一緒にできれば、われわれにとっては信じられないくらい素晴らしいことだ。その地点におよぶにはやらなければならないことがたくさんある。われわれは確かにそれに向けてオープンで、前向きだ」
先週にはコミッショナーのロジャー・グッデルが動画を公開し、選手たちの声に耳を傾けてこなかったのは間違いだと述べていた。その動画や今回の発表の前にも、リーグは社会正義のためのプログラムに4,400万ドル(約47億円)を寄付している。この寄付はアメリカの20の社会正義に取り組むグランドパートナーに提供され、選手と元選手が割り出した350の地域の草の根的な組織にマッチング拠出された。今回、さらに全体で2億5,000万ドルが投じられ、リーグは刑事司法や警察組織の改善、アフリカ系アメリカ人のための経済および教育の発展に取り組むプログラムを確認し、協力していくための作業を選手らと共に行っている。
リーグの決断とここに至るまでの話し合いを知る人物の話によれば、先週にグッデルとオーナーらは社会正義のためのリーグの取り組みが長期的なものであることを明確にしたいと望んでいたという。リーグの社会正義プログラムをよく知る人物は、現在の活動に加えてのコミットメントによって、NFLが社会正義のための取り組みに終了の期日を設けていないことが明白になるだろうと述べている。
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