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NFLは必要に応じて公衆衛生上の調整を行うとシルズ医師

2020年06月19日(金) 16:25


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

NFLのチーフメディカルオフィサー(医務部長)であるアレン・シルズ医師は現地18日(木)、リーグは“公衆衛生環境に合わせて必要な調整を行い、予定通り2020年シーズンをプレーする準備を進めている”とした。この声明は、アンソニー・ファウチ医師が新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックが進行している中で、フットボールがこの秋にプレーできるようにするには“バブル”と呼ばれる隔離環境を設ける必要があるというコメントに応じたものである。

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長でありホワイトハウス・コロナウイルス・タスクフォースの主要メンバーの一人でもあるファウチ氏は、隔離環境なくしてフットボールがこの秋に再開されるのは難しいだろうと、木曜日に『CNN』に話している。

「選手たちが基本的に隔離された環境下にない限り――社会から隔離され、ほぼ毎日検査を受ける――この秋にフットボールがプレーできるようになるとは考えにくい」とファウチ氏は述べた。「感染拡大の第2波が起きる可能性があり、例年通りのインフルエンザのシーズンと重なれば事態はより複雑になるだろう。そうなった場合、今年のフットボール開催はなくなるかもしれない」

NBA、WNBA(女子プロバスケットボールリーグ)、MLS(メジャーリーグサッカー)は今のこところ、隔離環境を設けた上でこの夏の後半にオーランドでのプレーを再開する予定だ。

「われわれとNFLPA(NFL選手会)は、共同医療アドバイザーと共に、選手、コーチ、その他の主要メンバーたちの健康面におけるリスクを軽減する取り組みに励んでいる。ファウチ医師はその中の健康面と安全面に関する重要な課題を明らかにした」とシルズは『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロに宛てた声明の中で述べている。

「われわれは包括的で迅速な検査プログラムと厳格なプロトコルを開発しており、このフットボール界にかかわる全ての人に共通の責任を求めている。これは、ホワイトハウス・タスクフォース、米国疾病予防管理センター(CDC)、感染症の専門家、他のスポーツリーグを含む公衆衛生関係者からの指導をまとめたものに基づく」

「間違いなく、これは決して簡単な任務ではない。公衆衛生環境に合わせて必要な調整を行い、すべての選手、スタッフ、参加者のためのプロトコルと安全対策を強化し、予定通り2020年シーズンをプレーする準備を進めている。このような環境の中で、必要に応じてウイルスに適応できるよう、柔軟に対応していくつもりだ」

シルズ医師は現地17日(水)、NFLに隔離環境を設けることは“現実的”ではないとし、プロトコルはまだ発展中であると述べた。COVID-19に対する検査の方策は、科学が進化するにつれてシーズン開幕時と終了時では違ったものになる可能性が高いともシルズ医師はつけ加えている。

その後木曜日、NFLPAのメディカルディレクターであるトム・メイヤー医師は、ファウチ氏のコメントを受けて、次のような声明を発表した。

「優れた指導力と道徳的な明快さをもって多くの危機を乗り越え、わが国に貢献してきたアンソニー・ファウチ医師の言葉には非常に重みがある」

「この春を通して選手たちに伝えてきたように、世界的なパンデミックのもとでフットボールを運営するには大きな課題があることを認識している。今のところ、入手できる最善の科学と現在の感染や入院の状況をもとに指導を受け、判断してきた。われわれの共同タスクフォースは複数の分野の専門家で構成されており、安全と衛生を念頭に日々活動している」

「厳しいプロトコルと職場の安全性に加えて、広く利用可能な検査が重要である点を引き続き主張していく。これはフットボール再開に向けてのカギとなるだけでなく、公衆衛生上の問題でもある。現在の情報では、近い将来には問題にならないと思われるが、必要不可欠なビジネスではないわれわれが、仲間のアメリカ人から貴重なリソースを奪うことは倫理的にやってはならないという見解に全員が同意している」

「この夏も対策を進め、皆さんに情報を共有していく予定だ」

【R】