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NFLで連綿と続く父と息子の豊かな歴史

2020年06月22日(月) 17:29

引退会見に臨んだイーライ・マニング【Evan Pinkus via AP】

おそらく、父と息子がピッグスキンを投げ合うノスタルジックで心安らぐ写真が『The Saturday Evening Post(サンデー・イブニング・ポスト)の表紙を飾ったことはない。

それにもかかわらず、アメリカの伝統と原風景の一つが、フットボールに興じる父と息子だ。

あるアスリートがNFLにたどり着くのがいかに例外的なことかは驚くほどだが、父と息子がそろってNFLのジャージーを着るとなればそれはなおさらのことになる。

毎年日曜日に父の日が祝われるのと同じように、NFLの試合が行われる日曜日にも、父と息子の歴史が刻まれてきた。

2019年シーズンの終わりから2戦目でかつてない形で祝福された父子のつながりが、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦でサンフランシスコ・49ersがグリーンベイ・パッカーズに勝利した際に、父マイクさんの差し出した手を交わしてそのままハグした49ersのカイル・シャナハンヘッドコーチ(HC)の姿だった。

2020年NFLドラフトにおける主要な父子-『NFL Research(NFLリサーチ)』調べ


息子(全体指名順)

ディフェンシブタックル(DT)モンタエ・リーゴー
ワイドレシーバー(WR)ジェイレン・リーゴー(全体21位、フィラデルフィア・イーグルス)

ランニングバック(RB)マイケル・ピットマンSr.
WRマイケル・ピットマンJr.(全体34位、インディアナポリス・コルツ)

コーナーバック(CB)アントワーヌ・ウィンフィールドSr.
セーフティ(S)アントワーヌ・ウィンフィールドJr.(全体45位、タンパベイ・バッカニアーズ)

WRショーン・ジェファーソン
WRヴァン・ジェファーソン(全体57位、ロサンゼルス・ラムズ)

RBダリック・ホームズ
CBダーネイ・ホームズ(全体110位、ニューヨーク・ジャイアンツ)

オフェンシブライン(OL)アンディ・ヘック
タックル(T)チャーリー・ヘック(全体126位、ヒューストン・テキサンズ)

OLブラッド・ホプキンス
TEブライセン・ホプキンス(全体136位、ロサンゼルス・ラムズ)

Sジョニー・ジョンソン
WRコリン・ジョンソン(全体165位、ジャクソンビル・ジャガーズ)

OTジョン・ランヤン
ガード(G)ジョン・ランヤン(全体192位、グリーンベイ・パッカーズ)

フルバック(FB)ジェームス・ホッジンズ
WRアイザイア・ホッジンズ(全体207位、バッファロー・ビルズ)

49ersがカンザスシティ・チーフスとの大舞台での一戦にコマを進めたため、『NFLリサーチ』によればマイクとカイルのシャナハン父子はHCとしてスーパーボウルに出場した初めての親子となった。

カイル率いる49ersは敗北したものの、チーフスの勝利によってまた別の父子が栄光を祝っている。

おそらく史上最高のパンター(P)ファミリーであるコルキット家は、以前にも父と息子の間でスーパーボウルの歴史を刻んでいた。第13回および第14回スーパーボウルウイナーである元ピッツバーグ・スティーラーズPクレイグ・コルキットは、選手としてスーパーボウルを制覇した息子を2人持つ初めての王者となった。兄ブリトンがデンバー・ブロンコスと成し遂げた栄誉を追い、チーフスのダスティン・コルキットが2020年に家族の歴史に新たな一ページを加えている。

現在、NFLにおける最も優秀な――そして最も過小評価されている――パスラッシャーであるニューオーリンズ・セインツのディフェンシブエンド(DE)キャム・ジョーダンはプロボウルに5度選出されており、これは父スティーブがTEとしてミネソタ・バイキングスで数えた記録より一つ少ない。

また、クレイ・マシューズはNFLでしばらくの間その名を馳せている選手だ。6度のプロボウラーにしてパッカーズとスーパーボウル王者に輝いたことのあるマシューズは、最近ではラムズでプレーしていた。マシューズの父はNFLで19シーズンという長きにわたってプレーしており、ブラウンズで過ごした16シーズンの中ではプロボウルに4度参加した。もう一人の息子であるケイシーはNFLで4シーズンプレーしている。さらに、その歴史は1950年から1955年にかけて4シーズンを49ersの一員としてプレーしたクレイの祖父から始まっており、その祖父には殿堂入りを果たしたブルース・マシューズを含む2人の息子がいるという形だ。

そしてもちろん、マニング家を忘れてはならない。父アーチー・マニングは苦境にあった1970年代のセインツで正当な評価を得ることができなかったが、過去20年にわたってペイトンとイーライがステージの中央に立ってきた。イーライが去るオフシーズンに引退したのを受け、アーチー、ペイトン、イーライは合わせてプロボウル選出が20回、スーパーボウル制覇が4回、ウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤーが2回、48シーズン、653試合、15万2,874パッシングヤード、パッシングタッチダウン1,030回という数字を築いて一時代を終えている。

豊かな父子の伝統は、太陽が冷え切るまで続いていく。

わずか数カ月前、2020年NFLドラフトではWRジェイレン・リーゴーがイーグルスから1巡目指名を受け、父モンタエ・リーゴーがたどった道を歩み始めた。他にもコルツの2巡目指名選手であるWRマイケル・ピットマンJr.、バッカニアーズ2巡目指名選手のSアントワーヌ・ウィンフィールドJr.らが父の背中を追っている。

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