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新時代のパンサーズにルールHCのなじみの顔ぶれ

2020年06月22日(月) 23:46

カロライナ・パンサーズHCのマット・ルール【AP Photo/Mike McCarn】

フランチャイズの一大改革が進む中、カロライナ・パンサーズにとっておなじみの顔ぶれが次のステージへと移っている。

元ヘッドコーチ(HC)のロン・リベラはワシントンD.C.へ、クオーターバック(QB)キャム・ニュートンのフリーエージェント(FA)には進展がなく、タイトエンド(TE)グレッグ・オルセンはワシントン州へ、ガード(G)のトライ・ターナーはトレードでロサンゼルス・チャージャーズへと移籍、そしてルーク・キークリーは健在だがゲーム屈指のラインバッカー(LB)としては引退している。そして、動きはまだまだ続く。

そんな中、マット・ルールはNFLのHCとしてデビューするにあたり、パンサーズを新しい時代へと導こうとしている。

変化は豊富だが、実は彼にとっての親しみやすさにそこまで変化はない。

ルールHCはテンプル大学とベイラー大学で過去に通算7シーズンにわたってHCを務めている間、9人ものパンサーズ選手をコーチした経験があり、その9人は全員ロースターに新加入する選手だと『NFL Research(NFLリサーチ)』は指摘している。

おそらく最も注目すべき人材は、テンプル大学出身のワイドレシーバー(WR)ロビー・アンダーソンとQBのP.J. ウォーカーだろう。前者はニューヨーク・ジェッツからの移籍、後者は短命となったXFLでプレーし、MVPの最有力候補にもなっていた。

ルールHCにとってNFLでHCを務めるのは初めての経験かもしれないが、一部の選手たちとはすでに経験を積んできている。

ウォーカーとアンダーソン以外にもテンプル大学出身の選手はまだいる。LBタヒール・ホワイトヘッド、LBサム・フランクリン、WRキース・カークウッド、そしてTEコリン・トンプソンだ。

ルールHCのベイラー時代からの顔なじみとしてはセンター(C)のサム・テクレンバーグ、ディフェンシブタックル(DT)のブラビオン・ロイとコーナーバック(CB)のデレック・トーマスが名を連ねる。

パンサーズの舵取り役としてのルーキーシーズンに先立ち、ルールHCのNFLにおける経験は2012年にジャイアンツのアシスタント・オフェンシブラインコーチを務めた1年しかない。

だがルールHCには過去にもチームを立て直した経験がある。ベイラー大学では2017年に1勝11敗だったチームを2019年には11勝3敗にまで育て上げた実績を持つ。その直後、負け越しのシーズンが2年続き、過去4キャンペーン中3回は勝率50%以下となっているパンサーズを救うべく、ルールHCはベイラー大学を去っている。パンサーズが第50回スーパーボウルで負けて以来プレーオフに出場したのはたった1回で、これまでの3シーズンの通算成績は29勝35敗。2017年に記録した11勝5敗はもはや手の届かない数字のように思えてくる。

ルールHCの改革の中でカギとなるのは間違いなくFA契約しているQBテディ・ブリッジウォーターだろう。

ブリッジウォーターはパンサーズフランチャイズの顔――ニュートン――の後釜となるだけでなく、チーム獲得点数がNFL全体で20位だった地区最下位チームを好転させる要となる。

昨シーズン、ニューオーリンズ・セインツで先発した5戦すべてで勝利を収めたブリッジウォーターは、ルールHCと力を合わせてFAのQBとNFLの初HCという組み合わせでのプレーオフ進出に意気込む。もしこれが実現すれば、NFLリサーチによると、当時のHCトニー・スパラノとQBチャド・ペニントンが2008年にマイアミ・ドルフィンズで果たした時以来となる。ミネソタ・バイキングスでプレーしていた時にプロボウル出場経験のあるブリッジウォーターは、偶然にもキャリアを通してタンパベイ・バッカニアーズ、アトランタ・ファルコンズ、ニューオーリンズ・セインツとの対戦で先発した試合はすべて4勝0敗という結果を残している。

突然注目を浴びるようになったNFC南地区の中でパンサーズの立て直しを目指すルールHCには、すでにQBに勝算があると言える。ルーキーコーチとしてパンサーズのあらゆることになじもうとしている一方、少なくとも9人のなじみのある顔は彼の助力となるだろう。

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