もっと早くキャパニックの話を聞くべきだったとグッデル
2020年08月24日(月) 16:22過去数カ月にわたってNFLとその選手たちはアメリカにおける刑事上の、もしくは社会的な正義の変化の必要性について議論し、目に見える変化をもたらそうとそれぞれのプラットフォームを活用してきた。
コミッショナーのロジャー・グッデルは現地23日(日)の夜、元NFLのラインバッカー(LB)であるエマニュエル・アチョと共にその重要な対話を続けている。
アチョの人気『YouTube(ユーチューブ)』プログラムである“Uncomfortable Conversations with a Black Man(黒人男性との不愉快な会話)”で、グッデルは国歌演奏中に平和的な抗議を行った選手に対する現在の見解を語った。
アメリカの連邦議会議員で共和党上院議員だったチャールズ・グッデルを父に持ち、1960年代に父を見て育ったことで、対立する状況を完全に理解するならばさまざまな見方の持ち主に耳を傾けることに大きな価値があると知ったというグッデルコミッショナー。今は分かっているものの、コリン・キャパニックが注目を集め始めた4年前に知っていたかったと願う抗議についての知識は何かと問われた際、グッデルコミッショナーは選手たちと直接に話すことで、現実に何が起こっていたかについて見えてきたと認めた。
「コミュニティーで何が起こっていたのか、ということに尽きる。私はコミュニティーで何が起こっているか知らなかった」とグッデルコミッショナーはアチョに語っている。
「そして、選手たちとじっくり話をする機会があったとき、キャプと話し合う機会はなかったのだが、ケニー・スティルスとじっくり話し、エリック・リード、マルコム・ジェンキンス、アンクワン・ボルディンらとも話した。君も知るように他にも多くの選手がいて、そのうちにはとても大きな犠牲を払った者もいる」
それらの会話が与えたインパクトは、6月にグッデルが出した声明に感じられる。その声明の中で、グッデルはNFLが「選手にもっと早く耳を傾けなかったのは間違っていた」と述べていた。アチョはこのコメントの重要性を指摘し、黒人として、そして元選手として彼らがどれほど共鳴したか語る一方、キャパニックに直接的に向けられたメッセージがないことも強調。そして、元サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)に対し、公に後悔を伝えられるとしたら何と言うかをグッデルコミッショナーに尋ねている。
グッデルコミッショナーは「そうだな・・・最初に言うこととしては、われわれはもっと早く耳を傾けるべきだった。キャプ、君が何のためにひざをついたのか、君が何に注意を向けようとしていたのか。われわれは対話を持つために何度か彼を招いた。われわれがその機会を活用できていたらと思う。われわれはそうしなかったし、もしできていたらそこから恩恵があったはずだ。それは間違いない」と話した。
6月に声明を出してから10日後、グッデルコミッショナーは2016年以来プレーしていないキャパニックと契約を結ぶチームがあるならそれを推奨すると述べていた。その契約はまだ現実のものとなっていないが、現地9月10日(木)にシーズンが始まれば、キャパニックがかつてそうしていたようにサイドラインでひざをついて抗議する選手たちの姿が見られるだろう。そういった決断は、アメリカ国旗に対する不敬だという議論を再点火するかもしれない。グッデルコミッショナーはそういった考えを持つ者に対するメッセージを発している。
「旗の問題ではない。ここにあるのは、われわれの選手が行っていることが誤解されているというメッセージだ。彼らは愛国心に欠ける人々ではない。彼らは不実なのではない。彼らはわれわれの軍隊に反対しているのではない。実際、彼らの多くは軍に所属したことがあり、正すべきことに対する関心を高める権利を行使しているだけだ。彼らのあり方やしていることに対する誤解は、私を本当に苦しめる」とグッデルは述べた。
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