QBの研究はテイサム・ヒルにとって“特別な時間”
2020年08月31日(月) 16:12数々のNFL記録を持つ殿堂入りクオーターバック(QB)とさらにもう1人、昨シーズンにリーグのパッシング記録をけん引したQBと共にロースターで肩を並べていると、野心に関係なく現実に向き合わざるを得ない。
ニューオーリンズ・セインツの万能選手であり、リーグ内では“スイスアーミーナイフ”の代名詞を持つQBテイサム・ヒルは、近いうちにいつもの予測不可能な役割に落ち着かなければならないことに気づいている。だが今は違う。
「俺にとって今は特別な時間みたいなもんだ。自分の技術を磨いて、フィールドではドリュー(ブリーズ)から真剣に学んで、コーチ陣にもしごいてもらえる。これは全て俺にとってすごく楽しい時間なんだよ」とヒルは『ESPN』のマイク・トリプレットに話している。「プレシーズンの実戦は手ごたえを確認できる機会だから、それがないのは俺みたいな選手にとって残念なことだ。でも今は毎回の練習で試合の場面を想定することに集中している」
ドリュー・ブリーズはニューオーリンズ・セインツのナンバー1QBとして確固たる地位を築いている。そしてそれはきっと引退までチームにいる限り続くだろう。一方、QBジェイミス・ウィンストンは昨シーズンにパスヤードで5,000ヤード超えを記録し、ナンバー2としての座は安泰と言える。したがって、キャリアを通してレギュラーシーズンで6回のパスしかコンプリートさせていないヒルは、NFL のQBになるという意志を持っているにもかかわらず、ダイナミックで“できることはなんでもやります”という立ち位置にまた落ち着く以外ないだろう。そんなヒルをセインツは見事に使いこなしており、リーグ内の大半のチームも同じような選手を欲しがっている。
ヒルは今、つかの間のこのプレシーズン、希望はあるがまだ先のことになりそうなQBのポジションに向けてできる限りのことをしている。
「ドリューを研究していると、プレーコールを出されてスクリメージのラインに立ち、ディフェンスが何をしようとしているかを把握して、コールしたプレーを使って、どこでどうやってそのディフェンスを攻め崩すのかを判断する能力が見て取れる。だから俺もそのプロセスをスピードアップさせて、意思決定やパスが遅れないようにしないといけない」とヒルは話した。「そしてQBとしては、精度やフットワーク、上達のための努力に終わりはない。だから俺の焦点は、すべての精神的な側面であって、そのプロセスを加速させようとしているところだ」
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