「気持ちが一致しているかは分からない」とイーグルス残留希望のTEアーツ
2020年09月11日(金) 15:41フィラデルフィア・イーグルスのタイトエンド(TE)ザック・アーツは、クオーターバック(QB)カーソン・ウェンツが入団して以来、彼のお気に入りのターゲットとなっていた。だが、この多才な組み合わせは最後のシーズンを迎えることになるかもしれない。
現地10日(木)、先行きの見えない未来についてアーツは正直に語った。
「時にはイライラすることもあったし、難しい状況だ」とアーツはイーグルスとの契約延長の可能性について話した。「俺はここで長期にわたってプレーしたいとずっと言ってきた。その気持ちがチームと一致しているかは分からない。それでも俺は今年が最後の年だと思ってプレーする覚悟ができている。このチームとこの街のために、自分が持っているすべてを出し切るつもりだ。それだけの敬意を払うにふさわしい街だと思っている」
「今年は身を捧げてプレーする。後はなるようになるさ。詳しいことはエージェントとハウィー(ローズマン/イーグルスのジェネラルマネージャー)に任せることにする。この街に相応しい働きをするためにできる限りのことをするつもりだ。それが例え引き裂かれた腎臓を抱えてプレーすることを意味しているとしても。フットボールの試合に勝つために必要なことならなんでもする。このチームとこの街に自分がいた痕跡みたいなものを残したいんだ」
この2年間で、アーツはTEのポジションを共有することで自分の潜在的な後任を知ることができた。イーグルスの2巡目指名を受けたTEダラス・ゴーダートだ。パッドを付けると体形までもがアーツと似ているゴーダートは、後任のTEになることが有力視されている。
2021年に支払われるサラリーが2億5,000万ドル(約265億4,000万円)を超えると予測されるのに対し、キャップスペースがそれに全く見合っていないイーグルスにとって(特に進行中の新型コロナウイルスのパンデミックによる財政的影響の後に)、サラリーを削ることは不可欠となる。今シーズンの終了とともにアーツをカットすることで、合計470万ドル(約5億円)ものキャップスペースが生じる。体操の大技を仕かけるような難局を迎えている財政状況にとっては、避けられない選択となりそうだ。2021年のキャップスペースでゴーダートがわずか178万ドル(約1億9,000万円)しか占めていないことを考えると、アーツにとっては明らかに不利な状況だ。
今週末に始まるシーズンをアーツは30歳で迎えるというのも、また1つイーグルスとの契約を妨げる要素となる。年下のゴーダートはまだ25歳であり、イーグルスの未来にとっては理にかなっている。
現実的な2021年のキャップに向けてチームがバク転の1つや2つを成功させながら、アーツとイーグルスが長期的な契約に合意できるなら、じきに今のような落胆のトーンは消えるかもしれない。だが今のところ財政的な影響を見過ごすことは難しい。ファンをいまだに夢見心地にさせている、アーツ率いるイーグルスが獲得したロンバルディトロフィーの輝きをもってしても。
【R】