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「シーホークスQBウィルソンより優れた選手はいない」とペイトリオッツHCベリチック

2020年09月18日(金) 11:40


シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/John Bazemore】

ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはシーホークスのクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンの隠れ応援団員なのか。

現地20日(日)夜にニューイングランド・ペイトリオッツ対シアトル・シーホークス戦を控え、ペリチックHCはウィルソンをほめちぎった。

ベリチックHCは「正直言って、彼はメディアとファンに低く評価されていると思うが、彼より優れた選手は見当たらない」と『The Boston Globe(ボストン・グローブ)』紙のベン・ボリン記者に語っている。

ウィルソンへの称賛は大々的な宣伝文句と一致する。ウィルソンは7度のプロボウラーであり、スーパーボウルチャンピオンを1回経験し、2019年オールプロ・セカンドチームのQBに選出され、2015年のNFLパサーレーティングリーダーと2017年のタッチダウンリーダーになるとともに、奇術師フーディーニに並ぶほどの脱出技を持っている。

NFL史上、最も優秀なQBの1人であるにも関わらず、ウィルソンは他の選手が得ているほどの名声をまだ獲得していない。シーホークスのミドルラインバッカー(MLB)ボビー・ワグナーですら1度MVPを獲得したというのに、ウィルソンは8シーズンで1度もMVPに選出されたことがないのだ。

NFLで最も華麗なディープボールを投げるウィルソンは、2016年以降のディープパスで最多のコンプリート132回、パスタッチダウン44回、4,496パスヤードを記録している。2019年には32回のディープレシーブ(NFLで最多)をマークした。

常に指摘されるのが、シーホークスのピート・キャロルHCが好むタイプの攻撃によってウィルソンが足止めを食らっているという点だった。これまでのところランを多用しつつウィルソンに魔法のようなパフォーマンスを要請するシステムが功を奏している。シーホークスはウィルソンと共に舵を取ることにより、1シーズンを除く全シーズンで2ケタの勝利を飾ってきた。

それでも、シーホークスがウィルソンを自由にさせるならば、もっと可能性があるようにみえる。シーズン第1週はウィルソンの調子が良い時のシーホークスの攻撃の縮図だった。ウィルソンはこの試合で35回中31回(88.6%)のパスを成功させて322ヤードを稼ぎ、タッチダウン4回を決めてパサーレーティング143.1を記録した。

キャロルHCはグラウンドゲームを遂行する計画があるとし、第1週の試合は傾向としてより対戦上の状況だったと主張するものの、おそらくベリチックHCの称賛に耳を傾け、ウィルソンをもっと自由にさせるべきなのだろう。

ベリチックHCの称賛がどこからくるのか知ることは難しくない。ペイトリオッツと対戦したレギュラーシーズンの2試合で、ウィルソンは641ヤードを獲得して6回のタッチダウンを決めた。両方の試合でシーホークスが勝利している。第49回スーパーボウルでは、コーナーバック(CB)マルコム・バトラーが最後の瞬間にインターセプトを決めてペイトリオッツが勝利したが、ウィルソンは247ヤード、2回のタッチダウンと1回のインターセプトをマークするとともに、39ヤードのランを記録してシーホークスを勝利目前まで押し上げた。ウィルソンのパスアテンプト当たり平均10.4ヤードとパサーレーティング124.0は、2012年以降にペイトリオッツに対して75回以上のパスアテンプトを試みた26名のQBの中で最高の成績だ。

現地日曜日の夜にベリチックHCとウィルソンが4回目の対戦を交わす。前回の対戦と同様にスリル満点な試合となることを願おう。

【SC】