ベンガルズQBバロウ、プライムタイムデビューは黒星ながらも失望はさせず
2020年09月18日(金) 22:56これまでファーストエナジー・スタジアムへやってきてクリーブランド・ブラウンズのディフェンスを切り刻み、重要な第3ダウンをコンバートし、ワルツを踊りながら勝利を収めた一流クオーターバック(QB)は何人もいる。
ブラウンズファンに会えば、尋ねる前から口々に個人的な悪夢の日付を列挙してくれるはずだ。
サーズデーナイトでシンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウは、もう少しでその最新リストに加わるところだった。そして、この先そうなる可能性を多く秘めている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、バロウはサーズデーナイトのブラウンズ戦で見事なパフォーマンスを見せた中で、少なくとも1950年以来初めて試合で60回以上パスを投げて一度もインターセプトされなかったルーキーになったという。パスヤードは310ヤードを越え、フットボール界に彼の有望性を感じさせた。
フィールド上のもう1人のQBも感心していた。
「先週は彼のプレーを見る機会がなかったんだけど、レビューで絶賛されているのは聞いたよ。分かっていた」とブラウンズのQBベイカー・メイフィールドは述べた。「本物だ。ジョーを取り巻く熱狂は本物だ。彼は最高のプレーをしたと思う。決断力があり、プレーを引き延ばし、ボールをケアした。彼は素晴らしい仕事をしたよ」
「若者がまた1人やってきて引き継ぐのを見るのはいつもいいものだ。チームも明らかに彼を気に入っている。チームは彼をフォローし、彼はチームを引っ張っている」
バロウはドロップバックでのパスを64回投げており、そのうちの32.8%でプレッシャーをかけられ、サック3回とファンブルロスト1回を喫した。しかし、彼にエスケープやプレーを伸ばす能力がなく、ラッシュが来る前にタイムリーなパスを投げることができなければ、もっと多くサックされていただろう。
崩れかけのポケットの中で、バロウはずっと直立し続け、オープンな味方を特定し、その味方にボールをつなげた。ベンガルズは18回の第3ダウンアテンプトのうち8回をコンバートし、第4ダウンは5回中5回とパーフェクトだった。ルーキーパサーとしてはそれ自体が素晴らしい成果だ。
「彼は良い仕事をしたと思う」とベンガルズのヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーは試合後に語った。「彼はわれわれにチャンスを与えてくれた。われわれが少しばかり及ばなかっただけだ」
ブラウンズのディフェンスは2019年のQBプレッシャーレートのリーグリーダーを保っているようだ。強制ファンブルを奪ったマイルズ・ギャレットは試合中に記録された21回のプレッシャーのうち9回に貢献した。それでもバロウにうろたえる様子はなく、逆転の望みは薄いにもかかわらず、最後まで諦めずに試合時間残り2分でタイラー・ボイドにタッチダウンパスをつなげた。
「負けるのはあんまり楽しくない。俺の競技キャリアで、2試合連続で負けたのはこれが初めてかもしれない」とバロウは述べた。「いい気分じゃないな。みんな悔しがっているのは分かっているし、明日はまた仕事に戻って修正しなきゃならない。負けるのは俺にとって受け入れがたいことだ。チームのみんなも、テイラーコーチも、この組織の全員にとってもそうだ。どうにかして立て直さなきゃならない」
彼の勝利への欲求は報道席からでも明らかだ。1巡目指名のQBがプライムタイムデビューを飾り、ブラウンズのような強烈なパスラッシュに疲労困憊(こんぱい)して崩れ落ちるさまを国中にさらすことは数え切れないほどある。しかし、バロウは何度打たれようとも屈せず、プロでの2試合で2敗を喫してもほとんど動じる様子はなかった。
彼はまだ始まったばかりだ。前途には多くの有望なキャリアが待ち受けている。そして、サーズデーナイトが示したように、それは見るものを本当にワクワクさせてくれる――ベンガルズが彼に過去の有望なパサーたちと同じ運命をたどらせない限り。
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