父の死から立ち直ろうとするペイトリオッツRBホワイト
2020年10月07日(水) 15:57厳しい1年はランニングバック(RB)ジェームス・ホワイトにとってさらにつらい年となっている。ホワイトは重い心を抱え、現地5日(月)に活動を再開した。
ホワイトは9月20日に発生した自動車事故で父タイロンさんを亡くしてから、初めてフットボールに戻っている。この事故で母リサさんも負傷し、入院中だ。ホワイトはカンザスシティ・チーフスとのマンデーナイトの対戦に向かう週に、ニューイングランド・ペイトリオッツに戻った。
チーフスに26対10で敗れたこの試合で、ホワイトはキャリー3回、21ヤードに加え、キャッチ7回で38ヤードを記録した。しかし、ホワイトが試合後に語ったことで、ゲームと関係のある内容は少ない。父が人生に与えた影響についてホワイトが話したのも、理解できることだ。
「彼は大きな意味を持っていた。俺がフットボールをプレーする大きな理由の一つが彼だ。小さい子どもだったとき、俺は兄がプレーするのを見て、父がフットボールをプレーしていたのも知っていた。それが俺のモチベーションのようなものになったんだ。父さんは俺にとってコーチだった。当然、父親がコーチだなんて、いつも楽しい状況じゃないが、彼が俺の背中を押し、今の俺を作ってくれた」とホワイトは語った。
「いつも試合前の土曜日に父が送ってくれていたメールが恋しい。俺が試合に向けて準備できるようにするための、シンプルなメッセージだった。シーホークス戦の前にもらった最後のメッセージを読み返した。思い出したくて。父は俺にとってすべてだった」
タイロンさんの命を奪った事故が起こったのは、ペイトリオッツがシーホークスと対戦するシーズン第2週の試合前日だった。新型コロナウイルスのパンデミックによって予測のつかないストレスが個人的にもかかる中、この事故によってホワイトは帰宅を余儀なくされた。妻が妊娠していることもあり、移動するのは避けたかったものの、悲劇が起こったことでそうせざるを得なかったとホワイトは話している。
父を失った痛みも癒えない中、ホワイトはチームに戻ったことと、母の健康状態が回復していることに希望を見出している。
「俺にとってはものすごくきつかった。まだすべてを受け止め切れていない。今も飲み込もうと努力しているんだ。俺に乗りきらせてくれているのは家族なんだ。母が回復していて、妻と息子、チームメイトがいてくれる。彼らが俺を引き上げてくれる。ロッカールームの空気は家族のようだ。ロッカールームにいると、心が軽くなる」
月曜日にペイトリオッツは敗れてしまったものの、フットボールが痛みから立ち直ろうとするホワイトの避難所にこれからもなってくれることを願うばかりだ。NFLのコミュニティー全体が、彼の支えになるだろう。
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