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QBロスリスバーガー、TDを4回決めたルーキーWRクレイプールを絶賛

2020年10月13日(火) 22:59

ピッツバーグ・スティーラーズのチェイス・クレイプール【AP Photo/Justin Berl】

NFLの今年のルーキーワイドレシーバー(WR)たちは相変わらず圧倒的な存在感を放っている。シーズン第5週も1年目のパスキャッチャーがまた1人、リーグにその名をしっかりと刻んだ。

ピッツバーグ・スティーラーズの2巡目指名選手、WRチェイス・クレイプールは、現地11日(日)に行われた州内のライバルであるフィラデルフィア・イーグルスとの試合を独占した。タッチダウンを4回決め(うち3回はレシービングタッチダウン)、7回のキャッチで110ヤードを稼ぐという記録を叩き出している。

スティーラーズがドラフトで獲得したWRは大勢いる中、新入りのクレイプールはジェネラルマネジャー(GM)のケビン・コルバートが天才的なスカウトマンであることを証明した。

クオーターバック(QB)のベン・ロスリスバーガーはクレイプールについて「彼は才能がある」と『ESPN』のブルック・プライアーに話している。

「彼はこの世の多くの人が持っていない、神から与えられた能力を持っている。大きくて、速くて、強くて、ものすごく頭がいい。臨機応変に対応してくれるから、いろいろなプレーが展開できる。最後のタッチダウンなんてまさにそのいい例だ。プレーを変えたけど彼はやってくれた。ちょっとした合図を出しただけなのに、すごいよ」

身長約193cmのクレイプールは、アウトサイドのコーナーバック(CB)を委縮させるサイズ、高い位置でボールをキャッチする身体能力、キャッチ後にヤード数を稼ぐ速さ、そしてタイトなスペースでもボールをキャッチできるハンドリングの良さを兼ね備えている。

日曜日にイーグルスはこのルーキーをカバーし切れず、サードダウンでいくつかのビッグプレーを許してしまった。

しかし、今後の大きな役割を示唆するパフォーマンスにもかかわらず、ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンは予想通りクレイプールの活躍を軽視し、次のように述べている。

「今日の活躍は彼や彼のスキルセットとは関係ないかもしれない。われわれはバランスのとれた攻撃陣を擁している。ジュジュ(スミス・シュスター)やディオンテ(ジョンソン)に(エリック)エブロン。他にも活躍した選手はたくさんいる。マンツーマンのディフェンスで、たまたまクレイプールはマッチアップしてきた選手と相性が良かっただけのこと。つまり、しっかりプレーができるメンバーがそろっていることの強みといえる。その週のマッチアップによって活躍できる選手は変わってくるわけで、彼にとって今週はいいマッチアップだったということだ」

だが日曜日の活躍が一発屋のものとは思えないほどに、クレイプールの才能は誰の目にも明らかだ。すでに“ビッグ・ベン”の信頼を勝ち取っていることもカギとなる。

まだ接戦となっていた第3ダウン残り8ヤード、敵陣35ヤードの場面で、イーグルスのカバー2の守備体型を見たロスリスバーガーはとっさにプレーを変更した。ところがクレイプールは練習したことのないスロットポジションにいた。その時ロスリスバーガーはなんと真ん中を走るルートを身振りでクレイプールに合図したのだ。

「そこのスポットをやったことがなかった」とクレイプールは話している。「いつもはエブロンだ。試合の重要な場面だったし、俺が考えていることが合っているかを確かめずにはいられなかったから、思わず彼に聞いてしまったんだ」

「ストレートに教えてくれたよ。ディフェンス全員に教えたようなもんだったけど。それは俺のせいだ」

結局それはどうでもいいことだった。

イーグルスのニッケルバックであるコーナーバック(CB)ニッケル・ロビー・コールマンがラインバッカー(LB)のネイト・ジェリーに何が起こるかを合図していたにもかかわらず、クレイプールはディフェンスの間を走り抜け、試合を決定づけるその日4回目の得点を挙げた。

イーグルスのディフェンスにとっては恥さらしの連続だったといえる。一方のクレイプールは、1試合で少なくとも3回のレシービングタッチダウンと1回のラッシングタッチダウンを決めたNFL史上初めてのルーキーとなった。また、スティーラーズにとって同じ試合でラッシングタッチダウンとレシービングタッチダウンの両方を決めたルーキーは、殿堂入りを果たしている元フルバック(FB)のフランコ・ハリス(1972年第7週のバッファロー・ビルズ戦)以来となる。

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