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タイタンズRBヘンリーは「走れるOLBデュプリーのようなもの」とスティーラーズHCトムリン

2020年10月22日(木) 00:15

テネシー・タイタンズのデリック・ヘンリー【AP Photo/Wade Payne】

ピッツバーグ・スティーラーズはサンデーゲームでランニングバック(RB)ニック・チャッブのいないクリーブランド・ブラウンズのラッシング攻撃をシャットダウンした。マイク・トムリン率いるチームは第7週にフルメンバーのテネシー・タイタンズ攻撃陣と対峙(たいじ)することになっており、安心している時間はそれほどない。

ランディフェンスで2位にランクインするスティーラーズの次の相手はNFLのラッシングリーダー、デリック・ヘンリーだ。彼の走りはまるでライトセーバーの機敏さを備えた大型ハンマーのようなものだ。

ヘッドコーチ(HC)のトムリンは彼のディフェンスがタイタンズの怪物を相手に長い1日を過ごすことになると覚悟している。

「彼におびえてしまう者もいるし、実際、恐怖を感じさせるだけのものがあるんだ」とトムリンはヘンリーについて『Steelers Depot(スティーラーズ・デポ)』に語った。「それはまるでバド・デュプリーがフットボールを走らせているようなものだ。それがセカンダリーに飛び込んでくる。バドのような相手にタックルしようとするようなものだ。しかも、彼はバドより速い。ディフェンシブバック(DB)たちがそれに苦戦しているのが分かるだろう。できればチームがそういう状況にいる時間を最小限に抑えたい。そして、そういう状況にある時には彼らが自分たちのすべきことをして、それぞれの仕事を果たしてくれると願いたい」

バド・デュプリーはスティーラーズのパスラッシャーだ。身長は193cm、体重は122kg。ヘンリーはというと191cm、112kgだ。トムリンの比喩は的を射ている。

スティーラーズはラインバッカー(LB)のデビン・ブッシュがACL(前十字靭帯)を断裂しており、ディフェンスの中央に不安を抱えている。ブッシュの代わりにはロバート・スピレインが入る予定だ。

2019年の初めから数えて、スティーラーズが相手に100ヤードラッシャーを許したのは1回のみ――昨年の第17週、ボルティモア・レイブンズのRBガス・エドワーズ(キャリー21回で130ヤード)に対してのものだけだ。

昨シーズンに1,540ヤードを記録し、ラッシングでNFL首位に立ったヘンリーは、2019年から9試合で100ヤード超えを達成している(これはチャッブとタイでNFL最多)。

今年も、ヘンリーは5試合で588ラッシングヤードを獲得してNFLをリードしている。このままいけば2006年と2007年に2シーズン連続でラッシングタイトルを獲得した栄誉の殿堂入り選手のラダニアン・トムリンソンに並ぶペースだ。

2019年こそスロースタートだったが、以来ヘンリーは絶好調だ。過去16試合(プレーオフを含む)でブルドーザーのように2,068ラッシュヤードを積み上げた。先週はヒューストンで大暴れして、94ヤードのタッチダウン(TD)を含め、212ラッシングヤードを獲得。

過去3試合で26歳のRBは毎回2回のラッシングTDを決めている。4試合連続でラッシングTDを2回以上決めたのはトムリンソンが最後だ。トムリンソンはMVPに選ばれた2006年シーズンに8試合連続でそれを達成している。

今シーズンのスティーラーズはランに対して堅固で、1試合平均66.2ヤードしか与えていない。しかし、ブッシュを欠いた今、トムリンのディフェンスの中央には大きな穴が開いてしまった。

ヘンリーは週明け時のランキングでトップ5のランディフェンスと対戦した過去5試合では、いずれもラッシュヤードが100以下に終わっている。それらの試合で最も多かったのは2019年第8週、タンパベイ・バッカニアーズ戦での75ヤードだ。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、その5試合でのヘンリーの記録は1試合平均キャリー8.8回、ラッシュヤード平均は32.0、ラッシングTDは0回だったという。

5勝0敗同士、AFC首位の座が懸かるマッチアップで、トムリンはタイタンズがヘンリーにボールを集中させることを知っている。スティーラーズは練習で何度かデュプリーにボールを持たせて、ヘンリーに備えるのもいいかもしれない。

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