タイタンズに約3,700万円の罰金、レイダースにも処分の可能性
2020年10月26日(月) 11:10NFLとNFL選手会(NFLPA)による調査の結果として、新型コロナウイルス(COVID-19)のプロトコル違反でテネシー・タイタンズに35万ドル(約3,700万円)の罰金が科された。NFLとNFLPAは現在、ラスベガス・レイダースで新型コロナウイルス陽性のケースが発生した件について調査を行っている。
情報元の話によれば、タイタンズはマスク着用の義務を満たしていなかったことや、施設外でのワークアウトに関するコミュニケーションの不備に対して罰金を言い渡されたとのことだ。ジェネラルマネジャー(GM)のジョン・ロビンソンやヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベルを含め、個人として懲罰の対象となった者はいない。また、24件の陽性によってリーグのスケジュールに大きく影響をおよぼしたにもかかわらず、以前にリーグが電話や書面によって通告していたドラフト指名権のはく奪等の厳しい処分は免れた。チームはさらなるCOVID-19プロトコル違反があった場合、より厳しい処分が科されるとの警告を受けている。
タイタンズは全面的に調査に協力し、文書や映像等を提出すると同時に、インタビューの実施にも進んで助力した。この調査ではチームがオフシーズンに多くの時間とリソースをCOVID-19プロトコルにつぎ込み、以降も施設に追加の変更を施していたことが分かっている。リーグは先週の現地19日(月)にチームに調査結果を送付した。
同じく月曜日、レイダースのコーナーバック(CB)デイモン・アーネットが週末に実施された検査で陽性だったことからリザーブ/COVID-19リストに置かれていた。水曜日の午前にはライトタックル(RT)トレント・ブラウンも検査で陽性となったことが判明しており、接触追跡の調査が行われた結果、他の4名のオフェンシブラインマン(OL)が1週間にわたって練習から除外され、セーフティ(S)ジョナサン・エイブラムは25日(日)のタンパベイ・バッカニアーズ戦からも除外された。
NFLとNFLPAはブラウンが『Kinexon(キネクソン)』の接触追跡デバイスを常時携帯してはいなかったこと、および、ブラウンを含む先発OLが練習中に顔の保護具なしで集合していたことを把握しており、レイダースにペナルティが科される可能性がある。チームはリーグの集中プロトコルの対象となっており、練習中も保護具の仕様が義務づけられていた。
レイダースにペナルティが科される場合、これまでの経緯からより厳しいものになる可能性がある。レイダースはジョン・グルーデンHCがサイドラインでマスクを着用していなかったことで25万ドル(約2,600万円)の罰金処分を受けたほか、試合後のロッカールームに承認されない人物が立ち入った件でも5万ドル(約500万円)の罰金を言い渡されている。また、屋内で開催されたチャリティーイベントで複数の選手がマスクを着用していなかった件も罰金の対象となっていた。
センター(C)ロドニー・ハドソン、ガード(G)ゲーブ・ジャクソンとデンゼル・グッド、レフトタックル(LT)コルトン・ミラーは土曜日にアクティブに復帰している。これらの選手が最後にブラウンと接触したのが月曜日であり、試合のある日曜日は6日目にあたるため、プロトコルをクリアすることができた。状況を知る人物によれば、エイブラムは火曜日にブラウンと共に靴を買いに出かけており、一般には閉ざされている店舗への短時間の訪問だったものの、NFLの医療専門家がブラウンとの濃厚接触があったと判断したために試合から除外されている。
NFLとNFLPAがレイダースの調査を行う上でカギになるのは次の点だ。すなわち、この問題はコーチや上層部がコントロールできるものだったのか? もしフィールドでマスクを着用していない者がいたとして、誰がそのふるまいを正すことができたのか? まだ知られていないプロトコル違反はあったのか? 関係のある選手を含め、すべての主要人物が面談を受けている。
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