1勝5敗のバイキングスHCジマーの肩を持つパッカーズQBロジャース
2020年10月29日(木) 23:201勝5敗となっているミネソタ・バイキングスのヘッドコーチ(HC)マイク・ジマーに批判の矛先が向けられている。
それは電気椅子に座っているのと同じような状況だと言う者もいるようだが、グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースはくだらない話だと一蹴した。
ロジャースはジマーHCについて「素晴らしいコーチだ」と話している。
「ジマーHCが苦しい立場にあると話題になっていることを友人に話したばかりだけど、俺にとってそれは完全にクレイジーだ。彼はこのリーグでも最高のコーチの1人だと思うし、長い間そうだった。他の人と違って、ジマーHCは今たくさんの問題や難しい体制を抱えているんだ。彼のコーチの仕方、特にディフェンスに対するコーチングはとても尊敬している」
これまではバイキングスの強みだと思われていたディフェンスが、今季にその役割を十分に果たしていない。その結果として、現在チームは1試合当たりに許したヤード数でリーグ内28位、1試合当たりの失点で30位に位置している。その原因の多くは選手の入れ替えに関係している。注目度の高いエッジラッシャーであるディフェンシブエンド(DE)ヤニック・エンガーコエを追加してみたものの、単純にうまくいかなった。フリーエージェント(FA)だったベテランDEのエバーソン・グリフェンも去り、エリートDEのダニエル・ハンターは今シーズンにまだプレーしていない。ハンターは今週に首の手術を受けることになっており、順調に回復しても復帰は来年の見込みとなっている。
さらに、トレイ・ウェインズやゼイビア・ローズ、マッケンジー・アレキサンダーらコーナーバック(CB)の選手を失っており、バイキングスのジェネラルマネジャー(GM)リック・スピールマンはこのオフシーズンだけでCBチームの再編(セーフティ陣の変更はなし)を余儀なくされた。その結果バイキングスは、ルーキーのCBキャメロン・ダンツラーを片方のコーナーで先発させ、サブパッケージでは同じくルーキーのCBジェフ・グラッドニーに頼らざるを得ない状況となっている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ジマーHCのディフェンスはプレーの58.2%でグラッドニーを起用しているという。
次の試合で対戦するバイキングスについて話した際、ロジャースは上記にとどまらない多くの変更点について指摘した。ロジャースの口調は柔らかいものの、バイキングスの戦績は、相手QB泣かせのディフェンスを仕かけられるジマーHCのせいではないと信じているのは明らかだ。そのディフェンスに苦しめられた中にロジャースもいる。彼が率いるパッカーズは、ディフェンスの強さを誇っていた2016年から2018年のバイキングス相手には1勝4敗1引き分けとなっており、1試合あたりの平均得点も18点にとどまっている。だがその後2019年から2020年にかけてパッカーズはバイキングスに3連勝しており、平均得点も29点に上がった。
バイキングスに対するパッカーズの連勝記録は、恐らくこの日曜日にも更新されるだろう。あらゆる方向から攻撃を繰り出すパッカーズは、すでに第1週にバイキングスに勝っている。1勝6敗となった場合、当然バイキングスファンの不満は膨れ上がるだろう(もちろん予想を裏切る勝利は大歓迎)。だが少なくともロジャースの言葉を信じるなら、2020年の苦戦は全てがジマーHCの責任ではないかもしれない。
【R】