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苦戦の理由にサラリーキャップの問題を挙げるペイトリオッツHCベリチック

2020年11月04日(水) 13:15

ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/John Munson】

ニューイングランド・ペイトリオッツは2000年以来の最悪のスタートを切っており、4連敗後、現在2勝5敗でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区の3位に位置している。

ヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックはサラリーキャップの問題を持ち出してペイトリオッツの苦戦を説明した。毎週出演している月曜日のラジオ番組『WEEI』で、ベリチックHCは現地2日(月)にサラリーキャップのせいにしているのは言い訳ではなく単純に現実だからだと主張している。

「キャム・ニュートンに100万ドル(約1億円)払っている。われわれに財政力がなかったのは明らかだ。誰のせいでもない」とベリチックHCは話した。「それがこの5年間やってきたことだ。大金をはたいてスーパーボウルに4回出場して3回優勝した。AFCの地区優勝も果たしてきた。その分今年は使える金額が少なかった。これは言い訳ではなく事実だ」

それが言い訳かどうかはともかく、ペイトリオッツが苦戦を強いられる中、チームはNFL内で7番目に多い2,850万ドル(約30億円)ものデッドマネーを抱えている。これによりペイトリオッツのディフェンス陣営はオプトアウトした多くの選手を逃し、クオーターバック(QB)キャム・ニュートン率いるオフェンスの力量もQBトム・ブレイディの時とは比べものにならない。

仮にペイトリオッツがブレイディ時代、スーパーボウル進出のために大量の資金をつぎ込んでいたとするなら、いずれサラリーキャップの問題は解消する見込みかと聞かれたベリチックHCは次のように答えている。

「リーグの構造はそのままだ。それが変わることはない」

ペイトリオッツがここ数年のドラフトで有力選手を獲得できていないのも、今年になってしわ寄せがきている。ほとんどのチームはルーキー契約によって有望な若手選手に大役を与え、サラリーキャップの問題を解消する。だがベリチックHCに高順位のドラフト指名権がなかったことにより、ペイトリオッツにはその余力さえなかった。

ペイトリオッツは攻守ともに若手の選手を起用しているが、それは必要に迫られてのことであり、結果は芳しくない。

ベリチックHCが20年ぶりのチームの苦戦を言い訳していると信じるかは人それぞれだ。しかしながら、サラリーキャップの状況に関係なく、ペイトリオッツが2021年のドラフトで優位な位置取りが可能になれば、ベリチックHCの理論は長くは続かないだろう。

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