テキサンズの今後について「立て直しは望んでいない」とJ.J.ワット
2020年11月06日(金) 12:301勝6敗となっているヒューストン・テキサンズはこれまでにヘッドコーチ(HC)兼ジェネラルマネジャー(GM)を解雇し、一からやり直そうとしているチームのように見える。
だが31歳のスターディフェンシブエンド(DE)であるJ.J.ワットのマインドセットに、立て直しという選択肢はないようだ。NFLでキャリア10年目となり、年間最優秀守備選手賞を3度受賞しているワットには、大幅な改造計画に付き合っている時間は残されていない。
テキサンズでキャリアを終えるつもりはあるかと現地4日(水)に『ESPN』のサラ・バーショップに聞かれ、ワットは次にように答えている。
「俺がこのリーグにいられるのがあと10年もないことは誰の目にも明らかだ。個人的にはあと何年かは活躍できると信じている。だけど、立て直しは望んでいない。俺はチャンピオンシップを目指したい。だからヒューストン・テキサンズのためになることであれば、俺もそれを最優先にするつもりだ」
ワットがヒューストンでの生活に終止符を打つかもしれないということは、プロの占い師でなくても読み解けるだろう。
このベテランのディフェンシブラインマンの延長契約は残すところ1,750万ドル(約18億円)相当の1シーズンとなっている。それに保証金は含まれておらず、来年のオフシーズンに大規模な再建があった場合、両者にとって後腐れなく別れるには好都合といえる。
テキサンズには来年のドラフトで1巡目どころか2巡目の指名権もないことを考えると、新しいGMとコーチをそろえてからチームを再建するのにはかなりの時間を要することが予想される。
ワットのようにヒューストンのコミュニティに深く関わってきた選手たちは、彼らのキャリアをコミットしてきたチームで勝ちたいに違いない。しかしながら、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区の優勝を6回果たしている中で、プレーオフでの勝利はたった4回にとどまっているのがテキサンズの現状だ。チームがディビジョンのトップまで登り詰める前に、時間切れとなってしまう可能性にワット自身も気がついているだろう。
「キャリアのはじめの頃は、人生は永遠に続くと思っている」と語り始めたワットは次のように続けた。
「俺の1年目でテキサンズは初めてのディビジョン優勝、初めてのプレーオフでの勝利を手にした。2年目で12勝4敗だった時には、人生はこれからも順調で、自分はどんどん強くなっていくんだと信じ切っていた。だけど、2勝14敗になってみて初めてビジネスとしてのNFLの現実を知り、それに伴ういろいろな現実に直面する。そこでやっと気がつくんだ。そうか、いつもバラ色ではないんだって。ここ7年あまりを振り返ってみると、ディビジョン優勝は何度かあって良かったけど、それは俺のゴールではない。絶対に違う」
「プレーオフに行くことがゴールであっていいはずはないんだ。プレーオフで1回か2回勝つことがゴールだなんてことはない。自分の目指すところがスーパーボウルで、それを実現するために全力を尽くして、自分のチームを最高の状態に持っていこうとする志がなければ、それは決して実現しない。それが俺のゴールなんだ。だから努力を積み重ねる。だからこれまでのけがからも必死で復帰してきた。それがゴールだからこそ、こうして俺はまだ戦っている」
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