ニュース

プレーオフバブル設置案が活発な議論の対象に

2020年11月30日(月) 12:35


フィールドに置かれたフットボール【Aaron M. Sprecher via AP】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数が増加する中、NFLはトレーニングキャンプが始まって以来で最も大きい影響を過去2週間に受けている。

ボルティモア・レイブンズとピッツバーグ・スティーラーズの試合は2度延期された。レイブンズはMVPのクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンを含む10選手が欠けた状態で現地12月1日(火)の試合に臨むことになる。一方、デンバー・ブロンコスも本来のQBが全員リザーブ/COVID-19リスト入りした状態で日曜日の対戦を迎えていた。

リーグはポストシーズンに同様の状況が発生するのを避けるべく、大規模な行動に出ることを検討している。

NFLはプレーオフに進出する14もしくは16の各チームのために“ローカルバブル”を作る案について前向きに話し合っている。これはチーム施設への行き来を除いてすべてのメンバーをホテルで隔離し、選手やコーチ、サポートスタッフと接触できる人物を厳しく制限する手法だ。

NFLのロースターとスタッフの規模の大きさを踏まえれば、プレーオフ進出チームのためのバブル創設案は、レギュラーシーズンの残る試合に向けて全32チームのバブルを形成する案、もしくは、NBAやNHLのプレーオフのような形の一つの大きなバブルを作る案より実現可能な手法だと見なされている。

最終決定は下されておらず、NFL選手会(NFLPA)の承認も必要になる。加えて、バブルには欠点もある。

一つは、全員がCOVID-19検査を含むプロトコルを終えてから、設置に1週間ほどかかることだ。また、バブルを形成しても一部の人の往来はあり、バブル内部で陽性のケースが発生した場合、アウトブレイクの可能性が急激に高まることが予測される。NFLのチーフメディカルオフィサー(医務部長)であるアレン・シルズ医師は過去数カ月にわたり、これらの懸念を公に示してきた。

リーグとNFLPAは対策を強化してきた。感染率が上昇している状況や、サンクスギビングデーに地域外からの訪問客と接触がある可能性に照らし合わせ、今週の月曜日と火曜日はチーム施設が閉鎖されている。選手には代役として出場しない場合、もしくはヘルメットを着用していない場合にサイドラインでマスクを着用することが義務づけられた。さらに、遠征に赴く人数が削減されている。それでも、各チームにはCOVID-19関連の問題が生じている状況だ。

NFLはプロトコルに自信を示しているものの、実際にそれに従う選手次第という部分はある。今のところ、各週にリーグと提携する研究所で実施される数万件におよぶ検査における陽性率は1%を切っている。

新しい検査がより迅速な結果や高い正確性を可能にするようになる中、リーグは状況の進展を見守り続けている。

また、シーズン第18週実施の可能性もある。これは新型コロナウイルス感染症の影響で延期された試合をレギュラーシーズンとプレーオフの間にもう1週を設けて行う案だ。プレーオフ出場のかかっていない2チームの試合がリスケジュールされた場合は、第18週に組み込まれない。暫定プランでは、プレーオフ進出の可否がその試合にかかっている場合のみ、追加の第18週に実施されることになっている。

NFLは17週、もしくは18週で全256試合を完遂すべく尽力している。プレーオフ進出にかかわる試合がすべて完了できなかった場合のみ、プレーオフ出場枠が14チームから16チームに拡大される。

とは言え、新型コロナウイルス感染症にかかわるすべてがそうであるように、状況は日ごと、週ごとに判断していかなくてはならない。

【A】