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チーフスOGターディフが地元カナダの年間最優秀スポーツ選手賞に輝く

2020年12月09日(水) 12:54

ローレント・デュバニー・ターディフ【AP Photo/Mark Humphrey】

ローレント・デュバニー・ターディフは今季に1度もスナップに参加しておらず、2月2日に行われた第54回スーパーボウル以来、カンザスシティ・チースフの選手としてフィールドにも立っていない。それでもこのオフェンシブガード(OG)への称賛は続く。

デュバニー・ターディフは、カナダの年間最優秀スポーツ選手に送られるルー・マーシュ賞の2020年の共同受賞者に選ばれた。共にこの栄光に浴したのはドイツのブンデスリーガ、バイエルン・ミュンヘンで活躍するサッカー選手のアルフォンソ・デイヴィスだ。

これまでにルー・マーシュ賞を手にした選手の中には、NHLのスター選手ウェイン・グレツキー(4回)、ボビー・オア、シドニー・クロスビー(2回)、そしてマリオ・ルミュー、オリンピックのアルパインスキーで金メダルを取ったナンシー・グリーン(2回)、サッカー選手のクリスティン・シンクレア、NBAの元選手であり現在コーチを務めるスティーブ・ナッシュなどが名を連ねる。だがNFL選手としてこの賞に輝いたのはデュバニー・ターディフが初めてだ。

デュバニー・ターディフは当時AFCの第2シードだったチーフスの先発ライトガードとして2020年の幕開けを迎える。31対20でサンフランシスコ・49ersを下したスーパーボウルを含め、ポストシーズンでも3試合に先発しており、ロンバルディトロフィーを獲得した9人目のカナダ人選手となった。しかしながら、2018年に医学博士および外科学の修士号を取得してマッギル大学を卒業しているデュバニー・ターディフは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより2020年シーズンをオプトアウトし、カナダのケベックにある長期ケア施設で働くことを決意する。

デュバニー・ターディフはこの決断について当時次のように記している。

「これは俺の人生で最も難しい決断の1つだった。でも俺は自分の信念に従い、自分個人が正しいと信じることをするべきなんだ。このオフシーズン中に最前線にいたことで、俺はこのパンデミックと、それが個人や健康管理システムに与えるストレスについて今までとは違う観点を持つようになった。自分が好きなスポーツをするためだけに、コミュニティーの中でウイルスが伝染する可能性を広げるなんてことは俺にはできない。リスクを取るとするなら、俺は患者をケアすることで取りたいと思う」

この献身的な行為は今週に別の称賛をももたらした。デュバニー・ターディフはチームメイトのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズと並んで『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイティッド)』が選ぶ5人の年間最優秀選手の1人に選ばれている。

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