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トレード前、ジャイアンツコーチ陣に「裏切られた」と感じていたWRベッカム

2020年12月09日(水) 23:56


ニューヨーク・ジャイアンツのオデル・ベッカム【AP Photo/Ron Schwane】

オデル・ベッカムは2018年を最後にニューヨーク・ジャイアンツでプレーしていないが、今でも彼らのことが頭から離れないようだ。

“OBJ”ことベッカムのクリーブランド・ブラウンズへのトレードにつながった非友好的な別離は、その後も表面下でくすぶり続けている。

「俺は一度だって、ジャイアンツ以外でプレーすることを考えたことはなかった」とベッカムは現地8日(火)、『CBS』のポッドキャスト『All Things Considered(オールシングス・コンシダード)』に語った。「ジャイアンツ以外の誰かのために、チャンピオンシップで勝ちたいと思ったこともなかった。それくらい伝説的な場所だったんだ。そんな組織の一員になれたことをすごく誇りに思っていた」

だからこそ、そのチームと険悪な関係で破局してしまったことを引きずり続けているのだろう。

「ちょっと裏切られたように感じたんだ。あるコーチが俺を仲間や周りの人間と敵対させるよう仕向けていた」と彼は『NY Daily News(ニューヨーク・デイリーニューズ)』に語っている。「(コーチは)若いやつらに俺に近づかないように言っていた。俺はいい人間じゃないし、いいチームプレーヤーでもないし、いい手本でもないってあれこれ言いふらしていたんだ」

ベッカムは決して、元ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)パット・シューマーの名前を出したわけでもなく、彼をトレードに出したジェネラルマネジャー(GM)のデーブ・ジェトルマンを名指ししたわけでもない。

今やブラウンズの一員となった彼は生涯の友であるジャービス・ランドリーのそばで自分の居場所を見つけたように見える。スターワイドレシーバー(WR)は第7週にACL(前十字靭帯)を断裂し、現在は故障者リストにいる。

ジャイアンツが優秀な選手を手放したのは明らかだが、OBJにも全く非がなかったわけではない。サイドラインでの悪ふざけを含む彼の振る舞いは、次第にクラブの手に負えないものになっていった。

ベッカムによると関係が一気に悪化したきっかけは、キャリアのピークを少々過ぎたQBイーライ・マニングを中心にしたチームの在り方について彼が声を上げたことだったという。

「何が問題になったか教えてやるよ。ピースはそろっていると俺は感じていた。イーライは多少年を取ってきてはいたけどさ」とベッカムは言う。「俺はここに結構長くいて、2シーズン我慢した。俺は点が取れることを示したのに、彼らは一度だってイーライの周りに人を集めなかった。それがかんに障った。彼を中心にチームを作ろうとしないんだ。それでいてドラフトで次々取ってくる。けどただ取ってくるだけ。組織やフランチャイズを作ろうという考えが見えなかった」

「あの頃のチームはひどいもんだった」とベッカムは続けた。「俺のことが問題になったのは、ちょうど組織としての成長や発展が感じられないと思っていた時だった。どうしても勝てない。ああいうひどい負け方をするのは大嫌いだった。それまで素晴らしいシーズンを過ごしていたのに。負けるのは嫌だった。嫌で嫌で仕方なかったんだ…。まるで行き止まりにぶち当たって、えたいの知れない何かのために必死でもがいているようだった。そこで全てがめちゃくちゃになっちまったんだ」

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