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古巣フィラデルフィアでの試合を前に感傷的になるセインツSジェンキンス

2020年12月11日(金) 13:07

ニューオーリンズ・セインツのマルコム・ジェンキンス【AP Photo/David Zalubowski】

現地13日(日)にニューオーリンズ・セインツはイーグルスと対戦するためにフィラデルフィアへと乗り込む。そこはマルコム・ジェンキンスがNFLでの6シーズンを過ごし、自分の“ホーム”と呼んでいた場所だ。

6年を共に過ごした後にイーグルスは32歳のセーフティ(S)ジェンキンスに別れを告げた。そしてジェンキンスはキャリアをスタートさせたセインツへと戻る。ギリシア語で“兄弟愛の市”を意味するフィラデルフィアに向かうに当たってジェンキンスは、わき上がる感情を隠そうとはしなかった。

イーグルスを去ったことについて聞かれたジェンキンスは「あの街、あのチームには俺のすべてを捧げた。コーチに言われたことは全部やったし、周りの選手を良くするために尽くした。常に自分のベストのフットボールをやったつもりだ。それでも決定権を持つ人たちには評価してもらえなかった」と水曜日に『Associated Press(AP通信)』に話している。

「俺にとってはリスペクトの問題なんだ。契約がいくらかはどうでも良かった。何に価値を置いているかを知りたかっただけさ。そして俺とは違う価値観だってことが分かった。だから、俺がこれまでの人生で大切にしてきたことを評価してくれるところへと移る決断をしんだ。結果は見ての通り、うまくいっている」

イーグルスはジェンキンスの契約延長――あと1年で760万ドル(約7億9,000万円)――を望まず、このオフシーズンに別々の道を選ぶことになった。

当時、イーグルスがこのベテラン選手の存在感をフィールド上だけでなくその他の場所でも埋めることができるのだろうかという疑問が浮上していた。波乱万丈なシーズンを経験しているイーグルスにとって、不安定な状況を改善するにはジェンキンスのような経歴と人格を持つ選手の手助けが必要かもしれない。

イーグルスのヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンは「マルコムはチームにとって貴重な存在だった。計り知れないほどのリーダーシップを見せてくれた」と語っている。

「言うまでもないが、フィールド上でのプレーは彼を物語っている。このチームがチャンピオンになるために大きく貢献してくれた。だが、フィールド上でもその外でも彼が見せたようなリーダーシップを持つ選手は長年目にしていない。自分の住んでいるコミュニティーや地元のことを気づかい、常にそれを体現している」

ジェンキンスは今、勢いに乗るディフェンス陣と共に相手オフェンスを圧倒し、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のトップチームの一員となっている。ニューオーリンズに戻ったことはジェンキンスにいい結果をもたらした。日曜日にフィールドの逆サイドにいるのは、行き詰ったシーズンに苦しむかつての僚友たちだ。

「俺はあの街が大好きだ」とジェンキンスは話した。「あのコミュニティーには自分自身を捧げたと言っていい。尽くした分だけ彼らも俺を愛してくれた。だから俺にとってあの街は特別なんだ」

「一時期フィリーは俺の代名詞と言っていいくらいあの街とは一体化していた」とジェンキンスはつけ加えている。「だから今回は懐かしさでいっぱいになると思う。今シーズンこの試合をずっと楽しみにしていた」

ジェンキンスはイーグルスとセインツの両方でスーパーボウルリングを手にしている。ジェンキンスが3つ目を獲得するために、セインツは日曜日のイーグルス戦をきっちり片付け、プレーオフでの上位シード権に向けてペースを乱すわけにはいかない。

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