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スロースタートを切るも、「支配力」を取り戻したコルツWRヒルトン

2020年12月17日(木) 18:37


インディアナポリス・コルツのT.Y.ヒルトン【AP Photo/AJ Mast】

感謝祭の間、T.Y.ヒルトンは抜け殻のようになっていた。“ゴースト”の異名を取るワイドレシーバー(WR)は2020年にしばしば深い穴の底に姿を消していった。

フィリップ・リバースは過去のクオーターバック(QB)たちのようにヒルトンとのコネクションを見つけられず、インディアナポリス・コルツのオフェンスはスピードスターなしで前進しているように見えた。

第11週までにプレーした9試合の中で、ヒルトンは1試合平均3.2回のキャッチ、36.3ヤードしか稼ぐことができなかった。5回以上キャッチした試合は1回のみで、70ヤードを超えたことは一度もなく、得点は文字通り0回だった。これではせいぜいWR3レベルの数字だ。キャリアの大半でプレーメーカーとなってきたヒルトンには似つかわしくない。

そして第12週を迎え、ヒルトンとリバースのコネクションは対戦相手を焼き尽くすようになる。

「ディセンバーフットボールはビッグタイムプレーヤーがビッグタイムプレーをビッグタイムゲームで見せる時だ」とヒルトンは最近『ESPN』のマイク・ウェルズに語っている。

ヒルトンはビッグプレーマシンだった。

過去3戦で彼は1試合平均5.7回のキャッチ、平均92.3ヤード、トータルタッチダウンは4回(第12週以降でNFL最多)を記録している。リバースは第12週以降でヒルトンがターゲットの場合にパサーレート153.4(最低10ターゲットでNFL最高)を記録している。

この3週間で状況が改善する前から、ヒルトンはボールの要求をやめなかったとリバースは言う。

「彼はボールを欲しがる。それをもらわないことをよしとするのは彼らしくない」とリバースは述べた。「毎週彼はボールを欲しかった。でも、それについてすごくプロフェッショナルだったんだ。競争力は感じられたけど、彼はまだチームを助けていることを知っていた。まだインパクトを与えているとね。ありがたいことに、俺はそういう人たちをたくさん知っている。ビンセント・ジャクソンにキーナン・アレン、(アントニオ)ゲイツもね。彼らは長い間“要”となっていた人たちだ。試合によっては他の連中に分散させて、彼らにはボールが回らないこともある。2、3回しかターゲットにならないかもしれないけど、それでも勝つ方法を見つけるんだ。そうするとさ、ここ3週は彼を生かせているだろ」

ヒルトンはコルツのオフェンスで自分の時が来るのを待つ忍耐を持っていた。彼は準備を整え、一気に爆発した。

「俺はまだ支配できる」とヒルトンは最近豪語している。「どんなチーム、どんな試合でも、どんな状況であれ、俺はまだ全てを支配できる」

ベテランWRは第15週でヒューストン・テキサンズを相手にその力を見せるプライムスポットにいる。テキサンズは彼がキャリアを通して苦しめてきたチームだ。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、テキサンズに対するヒルトンのレシーブ(93回)、レシーブヤード(1,647ヤード)、レシーブタッチダウン(11回)は2012年以降で1チーム相手の選手の成績としてはトップ3に入るという。1チーム相手の通算レシーブ平均17.7ヤードというのは、スーパーボウル時代(最低90回のキャッチ)で最多だ。

第13週に、ヒルトンはテキサンズから8回のキャッチで110ヤードとタッチダウン1回を奪った。

ヒルトンの最近のプレーはそれまでコルツが大きく欠いていたダウンフィールドのオフェンスを覚醒させた。リバースは第6週以降、パサーレート107.1、10ヤード以上のパスでタッチダウン9回、インターセプト3回となっている。

テキサンズはダウンフィールドアテンプトでパサーレート109.6を許しており、リバースは第15週でも引き続きヒルトンにショットを打ち続けると思われる。

【M】