スティーラーズに逆転負けを喫し、自力でのプレーオフ進出が消滅したコルツ
2020年12月29日(火) 13:45インディアナポリス・コルツはプレーオフでの有利なポジションに向けてその道のりを悠々と走っていた。ところが、マリオカートに例えるなら、1位走者を攻撃して遅らせる“トゲゾーこうら”を食らったかのごとく、ヘッドコーチ(HC)フランク・ライク率いるコルツはピッツバーグ・スティーラーズにあっという間に抜きさられてしまった。そして上機嫌に横を走り去っていくスティーラーズはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区タイトルを手にしている。
ライクHCは「悔しい負けだ。ここにきてこの負けは痛い」と28対24で試合を落とした後にチームの公式サイトにコメントしている。「なかなか受け入れがたい。今日のわれわれは前半で、あのターンオーバーを除いては3つのフェーズすべてで思い通りにプレーできた。大差をつけて完全に主導権を握っていたんだ。それなのに後半に入ってからは手も足も出なかった」
ハーフタイムを迎えた時点でコルツは21対7でリードしていた。スティーラーズが唯一挙げた得点は、コルツのクオーターバック(QB)フィリップ・リバースが3ヤードラインでファンブルしたボールをタッチダウンに持ち込んだものだけだった。
そして後半開始直後にコルツはフィールドゴールを決めて24対7でリードを広げている。
リバースは「もしスタジアムで観戦していたら、前半での独占的な空気を感じられていただろう。3つのフェーズすべてで。“君らは答えが分からないし、俺たちも教えてやらないぜ”ってな感じだった」とコメントした。
ところがコルツのオフェンスは相手ディフェンスの強固な壁にぶち当たり、ビッグプレーをあきらめざるを得なくなる。まるで時速90km以上でUターンをしているかのように、試合は急展開を迎える。
コルツのオフェンスは3回続けてパントを強いられ、そのうちの2回はスリーアンドアウトに終わっている。一方のスティーラーズは容赦ない攻撃を繰り返し、立て続けに3タッチダウンを決めて同点に追いついた。そしてリバースのインターセプトとダウンでのターンオーバーによってコルツの運命が決定づけられる。
コルツはオフェンスで勢いに乗ることができず、ディフェンスも以前に生気を欠くとまで言われたスティーラーズのオフェンスを食い止めることができなかった。さらに追い打ちをかけるようにコルツにとって不利となるペナルティがかさむ。
「控えめに言っても後半の攻撃はマンネリ化していた」とライクHCは述べている。「ディフェンスに関しても後半では相手にビッグプレーを許し過ぎた。時間をかけさせることができず、ビッグプレーと彼らに有利なペナルティを与えてしまった。スティーラーズのビッグプレーは必ずしもコンプリートできたわけではなく、ペナルティで稼いだようなものだ」
この敗北によってコルツが自力でポストシーズンに進む道は閉ざされた。
10勝5敗であっても、現時点でコルツはAFCのプレーオフ進出チームからは除外される。同じ10勝を挙げているACF内のテネシー・タイタンズ、マイアミ・ドルフィンズ、ボルティモア・レイブンズ、そしてクリーブランド・ブラウンズの後ろにつけている状況だ。これからコルツは1勝しか挙げていないジャクソンビル・ジャガーズに勝ち、さらに上記の4チームのうちのどこかが負けることを祈るしかない。さもなくばコルツは11勝を手にしながら、プレーオフを家で観戦することになるだろう。
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