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シーホークのキャロルHC、ラムズへの敗北に「心底失望」

2021年01月11日(月) 02:20

シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Ted S. Warren】

目を覆いたくなるありさまだった。

シアトル・シーホークスはロサンゼルス・ラムズに30対20で敗れ、プレーオフから姿を消した。ラムズは首のけがで先発クオーターバック(QB)を失うという苦境に立たされ、親指の手術を受けて万全とは言えないジャレッド・ゴフを出場させた。そんなチームを相手にシーホークスは敗れている。

そうしたハードルも、パンチを持たないシーホークス相手なら影響は最小限だった。彼らのターンオーバーは2回、ランニングバック(RB)キャム・エイカーズに131ヤードと28回のキャリー、タッチダウン1回を許している。

一方、シーホークスはラムズの散発的なオフェンスの成功に答えられず、サードダウン成功は14回中2回、ラムズのディフェンス相手に27回中11回しかパスをコンプリートできなかった。かつて爆発力を誇り、ライバルをねじ伏せたシーホークスのオフェンスと、シーズン序盤に自らの混乱を解決しようとしたディフェンスとは光年ほどもかけ離れているように見え、現行バージョンは忘れたいポストシーズンの負け試合でつまずきを繰り返した。

第4クオーターまでに、状況は試合を見ている者にも伝わった。シーホークスは万全ではないQBをプレーさせているチームに負けていた。肋骨(ろっこつ)のけがにより、ベスト選手のアーロン・ドナルドを欠いたディフェンスに支配されていた。ヘッドコーチ(HC)のピート・キャロルはエイカーズのロングランでまたも軽率なチャレンジに敗れ、敗北後、記者団に”こんな結果を受け入れる場所は自分の脳内にない”と述べた。

「実に腹立たしい」とキャロルは『NBC Sports Northwest(NBCスポーツ・ノースウェスト)』のジョー・ファンに語った。「突然こんなことになろうとは、とても考えられない。どうにか対処するしかないのだろうが、この結果には心底失望している」

シーホークスはQBラッセル・ウィルソンを十分に保護することができず、レシーバーたちは次々とパスを落とし、彼のパフォーマンスは悲惨なものに終わった。ウィルソンは5回サックされ、仲間が責任を果たしてさえいれば防げたインターセプトを浴びて、スクリーンパスをディフェンシブバック(DB)ダリウス・ウィリアムスに奪われ、リターンタッチダウンを決められている。ウィルソンのパサーレートは72.1に終わり、非常に高い状態でスタートした2020年シーズン初めとはかけ離れたものになった。チームがファーストダウンを獲得した回数は11回。キャロルはウィルソンの1日を“本当にハードなものだった”と振り返った。

「あの集団にあれほどラッシュされ、5回もサックされるのは、本当にタフだろう」とキャロルは『Tacoma News Tribune(タコマ・ニュース・トリビューン)』のグレッグ・ベルに語った。「プレッシャーも厳しかったし、カバーも優秀だった。一日中、全てが彼の悪い方に働いた」

唯一の好材料は2度の素晴らしいキャッチが唯一のレセプションとなったWRタイラー・ロケットだろう。WRのD.K.メットカーフは前半の大半をサイドラインでイライラしながら過ごし、その後タッチダウンパスをキャッチして試合を13対10とした。その後またしばらく姿を消し、残り2分28秒となった終盤に再び得点して10点差としている。

人員に関係なく、単純に彼らはその差を逆転できる力を持たず、展開を面白くする力も持ち合わせていなかった。最後はパントリターンでラムズのラインバッカー(LB)サムソン・イブカムにファンブルさせられ、予想された運命が事実上確定した。

「俺にとっては失敗だ」とセーフティ(S)のジャマール・アダムスは述べた。彼は唇が裂けていたため、その動きを制限するための装具を付けてプレーしていたことを明かし、オフシーズンに手術が必要だということも打ち明けている。「俺たちのゴールは1つだ。スーパーボウルに行って勝つことが全てなんだよ」

シーホークスにとってこの敗退は恥とは言わないまでも失望だった。2020年に12勝したチームとはとても思えず、土曜日のコーチ対決は明らかにショーン・マクベイ陣営の勝利だった。ラムズを相手にディビジョンタイトルを決めたのはほんの2週間前のことだが、文字通り、それは違う年に起きたことのように思える。

この敗北により、シーホークスは沈んだ気持ちのままオフシーズンを迎えることになった。12勝4敗でのフィニッシュは誇れる結果だが、このオフシーズンはフランチャイズの方向性についての疑問で満たされることになるかもしれない。だがこれは、2021年に再び走り出す前にどうしても片付けておかねばならない問題だ。

【M】