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QBロスリスバーガーが来季も戻る可能性を示唆するトムリンHC

2021年01月14日(木) 14:55


ピッツバーグ・スティーラーズのベン・ロスリスバーガー【AP Photo/Keith Srakocic】

ピッツバーグ・スティーラーズにとって2020年シーズンは“もしも?”という大きな疑問を残して終わりを告げた。

長年チームを引っ張ってきたクオーターバック(QB)のベン・ロスリスバーガーは、肘のケガによって2019年は1試合半しか出場していない中、今季のスティーラーズは11勝0敗で絶好のスタートを切るも、ライバルのクリーブランド・ブラウンズ相手にワイルドカード戦で屈辱的な敗北を喫し、最後の6試合のうち5試合を落とす結果となった。

スティーラーズにとって過去7シーズンで4回目となるポストシーズン初戦敗退から3日後、ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンは変化の必要性を訴えた。

『ESPN』によると、トムリンHCは現地13日(水)に「失望したシーズンだった。現状維持のまま違う結果が得られるとは思えない。そんなことは狂気の沙汰だ」と記者団に話したという。

ビッグベンことロスリスバーガーはまさにその“現状”を17シーズンもの間この組織で体現してきた人物だ。しかしながら、日曜日のワイルドカード戦でキャリア史上最多となる4回のインターセプトを喫したことで、彼の将来性をめぐる疑問が自然と顕在化してくるだろう。

3月2日に39歳となるロスリスバーガーは、シーズンの大半で申し分のないプレーを見せたものの、期待を下回る形でシーズンを終えた。第1週から第9週にかけては68%のパス成功率でタッチダウン18回に対して被インターセプト4回となっていた記録は、第10週から第16週にかけて一気に落ち込み、それぞれ53.4%、15回、4回となっている。スティーラーズはブラウンズ相手のレギュラーシーズン最終戦でロスリスバーガーを休ませた。

トムリンHCは、2020年シーズンを迎えるに当たってロスリスバーガーの健康と能力については「かなりの懸念」があったことを認めた。一方で、ビッグベンのこの1年については「語り切れない」とも加えている。それを念頭にトムリンHCは、このチームのナンバーワンQBが18年目のシーズンをブラックとゴールに身を包んでプレーする可能性を排除することはしなかった。

トムリンHCは「私はサラリーキャップにどれほど影響があるかを正確に把握していないが、彼が戻ってくる可能性があると考えるのは確かに妥当だ」と述べている。

ジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートは、このオフシーズン中にサラリーキャップの計算に多くの時間を費やすことになるだろう。多数のチームにとってサラリーキャップが流動的となることが予想される中、スティーラーズはフリーエージェント(FA)となる26人の選手のうち何名をつなぎ留めておけるかを考えなければならない。この先の数カ月で他のチームへと移る可能性のある選手の中には、ワイドレシーバー(WR)ジュジュ・スミス・シュスター、ランニングバック(RB)ジェームズ・コナー、負傷中のラインバッカー(LB)バド・デュプリーといった面々がいる。

『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、契約最終年となる2021年シーズンに先立ち、ロスリスバーガーは4,125万ドル(約43億円)のキャップヒットを抱えているとのことだ。彼の年齢とこれまでのケガ、さらにはチームの財政状況を考慮すると、契約延長の可能性は低い。つまり、チームが精査し終わった頃には難しい決断に直面するかもしれないということだ。

トムリンHCは「それに沿った人事はまだ何も決めていない」と話している。「チーム作りといったところで2021年がどのようになるか、少しばかり考え始めているだけだ」

シーズンの終止符を打った敗戦の傷がまだ癒えない中で将来に向けての話し合いが進まないのも無理はない。だがそれが始まれば、期間も定まっていないロスリスバーガーの将来を決めることは議題のトップに上がるだろう。

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