スーパーボウルよりも目の前の試合に集中せよとバッカニアーズHCエリアンス
2021年01月21日(木) 10:50タンパベイ・バッカニアーズは今週末にスーパーボウルの入り口に足を踏み入れようとしている自分たちに気づいた。自分たちのホームスタジアムであるレイモンド・ジェームス・スタジアムでのスーパーボウルだ。
現地24日(日)に実施されるグリーンベイ・パッカーズとのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦でグリーンベイ・パッカーズに勝利すれば、バッカニアーズはホームスタジアムでスーパーボウルを戦う史上初のチームになる。バッカニアーズはスタジアムやタンパの街がビッグイベントの準備を進め、そこかしこに第55回スーパーボウルのバナーを掲げる中で練習を行っており、ホームでのスーパーボウルの可能性は無視できない存在となっている。
とは言え、ヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスに言わせてみれば、その可能性は無視したほうがいい。
カンファレンスチャンピオンシップ戦を控えた現地20日(水)に行われた記者会見で、エリアンスHCは「ああ、われわれは今週末にその試合をプレーするわけじゃない」と話した。『Times(タイムズ)』紙のリック・ストラウドが伝えている。
「それが皆に向けたメッセージだ。われわれはパッカーズと、NFCチャンピオンシップゲームをプレーするんだ」
「スーパーボウルのことなど考えだせば、尻をぶたれて月曜日には帰り支度をするはめになる」とエリアンスHCは続けている。
これ以上の真実の言葉が語られるのはまれだ。これまでの歴史の中で、目の前の試合を見過ごし、その先の壮大な可能性に目を向けてしまったために夢破れたチームは数多く存在する。ピッツバーグ・スティーラーズは2018年に、ジャクソンビルでその憂き目にあった。ジャガーズを倒してカンファレンスタイトル戦でのニューイングンド・ペイトリオッツとの念願のリマッチを夢見ていたスティーラーズだが、その再戦は果たされなかった。それ以外にも前例はたくさんある。
しかしながら、1勝すればホームでスーパーボウルをプレーできる権利を得るというチャンスはそう多くない。最も近いところでは、2017年シーズンにカンファレンスタイトル戦へ進出したミネソタ・バイキングスがそれにあたる。だが、このときはフィラデルフィアでイーグルスに倒されており、ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで第52回スーパーボウルを制したのがそのイーグルスだった。
日曜日にバッカニアーズがパッカーズを倒したとしたら、さまざまな意味で歴史に新たな記録が刻まれることになる。バッカニアーズが勝利すれば、2007年のニューヨーク・ジャイアンツに次いで、第5シードからスーパーボウルに手が届いた1990年以来で2番目のチームになる。このときのジャイアンツはランボー・フィールドでパッカーズとの試合に勝って最終決戦の地であるアリゾナに向かい、トム・ブレイディとニューイングランド・ペイトリオッツにスーパーボウルでの敗北を味わわせた。また、バッカニアーズは2010年以降で初めて、ワイルドカードからスーパーボウル進出を果たしたチームにもなる。
当時それを果たしたチームとは? QBアーロン・ロジャースを擁するグリーンベイ・パッカーズだ。
歴史的な意味でも、言葉通りの意味でも、すべての道はグリーンベイを経由する。バッカニアーズが戦いを終えて荷物をまとめることになるのか、それとも、いつものロッカールームに荷物をつめることになるかは、日曜日に決まるのだ。
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