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バイキングスからの移籍先としてペイトリオッツも候補にあったビルズWRディッグス

2021年01月25日(月) 16:39


バッファロー・ビルズのステフォン・ディッグス【AP Photo/Charlie Riedel】

AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区を揺るがし、バッファロー・ビルズのオフェンスを完成させるピースとなったトレードは、一方で同ディビジョン内の別のチームも一変させた。

情報筋の話によると、昨年の3月16日、1巡目指名権が絡むスターワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスの大型トレードに揺れ動いていたミネソタ・バイキングスにとって、ビルズとニューイングランド・ペイトリオッツが最終候補だったという。

ディッグスの代わりに1巡目指名権を含む4つの指名権をビルズから受け取る前に、バイキングスはビルズと同じもしくはそれ以上の条件をペイトリオッツに打診。だがペイトリオッツとヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックが申し入れを拒否し、ディッグスのトレード先はビルズに決まる。

珍しく両者にとってウイン・ウインとなったこの取引によってディッグスはビルズに移籍し、チームがカンザスシティ・チーフスとのAFCチャンピオンシップ戦にまで進む重要なカギとなった。今週になって複数の情報筋がトレードのいきさつを明かしている中、オールプロのファーストチームにはじめて選出されたディッグス本人は、今のところ当時を振り返るつもりはないようだ。

ディッグスは「過去にあまりとらわれないようにしている」と今週に記者たちに話した。「すべてが終わったら考えるつもりだ。それが近いうちでないことを願っている。目の前にあることを逃したくないんだ」

昨季に、とりわけランニングバック(RB)のダルヴィン・クックを中心としたラン優先のオフェンス方針に対して、ディッグスはバイキングスに向けたいら立ちを露わにする時期があった。それでもバイキングスは彼をトレードする動きを見せなかった。実際、トレードの締め切り時に各チームから電話があった際には、ビルズを含めたすべてのオファーを断っている。

ところが3月16日の14時46分、ディッグスが『Twitter(ツイッター)』に「新たなスタートを切る時が来た」とつづったのを機に各チームからの問い合わせが発生。

バイキングスに彼をトレードするつもりはなかったが、もしトレードするなら何が必要かは頭の片隅にあった。そして15時ごろ、オファーが殺到し始める。

ニューイングランド・ペイトリオッツのWRモハメド・サヌーやニューオーリンズ・セインツのWRエマニュエル・サンダースも狙う中、シーズン中のトレード期限内にビルズはディッグスについて問い合わせている。だがバイキングの答えはノーだった。ビルズはWRにコール・ビーズリーとジョン・ブラウンを擁しながらも、要となる選手を求めていた。

そこで以前にもディッグスについて調べたことのあるビルズのジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンと彼のスタッフは調査を再開。ビルズの大学スカウト担当ディレクターを務めるテランス・グレーは11シーズンをバイキングスで過ごし、ディッグスのことをよく知る。ディッグスの母校であるメリーランド大学にも問い合わせ、ディッグスを直接知る人たちから話を聞いた。

情報筋によると、聞き込みの結果、ディッグスが不機嫌なレシーバーなどではないことを彼らは知ったという。代わりに浮かび上がった人物像は、勝つこととボールに対して貪欲で、ハードワークに徹するコンペティターというものだった。ディッグスは新しい環境を必要としているが、決して悪い人間ではないという結論に至っている。

フィールド上のディッグスはビルズが求めているものをすべて兼ね備えていた。トレード期限には断られたものの、3月には状況が一変。再び問い合わせたビーンに対して、バイキングスのGMリック・スピールマンと当時アシスタントGMを務めていたジョージ・ペイトンは、ディッグスをトレードするつもりはないが話だけは聞くと答えている。

その数時間後、バイキングスはビルズからのオファーが最良と判断。一方のペイトリオッツとは結局条件が合わなかった。クオーターバック(QB)キャム・ニュートンを支える武器がないことが、今季のペイトリオッツにとって終始課題となっていたのは言うまでもない。

そして3月16日21時に取引成立。トレードにしては信じられないほど早い。

そこからディッグスはビルズでスター選手となり、127回のキャッチで1,535ヤードとタッチダン8回を記録。20ヤードを超えるキャッチも20回達成している。一方のバイキングスはレシーバー陣が豊富にそろうドラフトの中でルイジアナ州立大学(LSU)のWRジャスティン・ジェファーソンを全体22位の指名権で獲得。ジェファーソンは今季のプロボウルに選出されたオフェンス陣の中で唯一のルーキーとなる。この22位の指名権はディッグスの代わりにビルズから譲り受けたものだ。

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