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ウェイバーからスーパーボウル出場までを振り返るバッカニアーズRBフォーネット

2021年01月26日(火) 12:13


タンパベイ・バッカニアーズのレナード・フォーネット【AP Photo/Butch Dill】

レナード・フォーネットの波乱に満ちたNFLキャリアはついにスーパーボウルに到達した。

元全体4位指名のランニングバック(RB)フォーネットは、注目度の高い選手の多くがそうであるように、最高点からどん底までを経験している。

フォーネットはルーキーシーズンの2017年にジャクソンビル・ジャガーズをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンシップ戦へと導いた。だがジャガーズはクオーターバック(QB)トム・ブレイディ率いるニューイングランド・ペイトリオッツに完敗し、そこからフォーネットの転落劇が始まる。

最終的にフォーネットは2020年シーズンを前に放出され、ブレイディが移籍したタンパベイ・バッカニアーズに入団。そして今、スーパーボウルでプレーすることが決まった。

フォーネットはチームの公式サイトを通じて「バッカニアーズの一員であるだけでうれしい」と述べている。「ブレイディは最高の選手だ。毎日神に感謝している。両親に電話して、俺のこれまでの道のりを話しながら30分くらい泣いていたと思う。ジャガーズに始まり、刑務所に入って、カットされて。それがこんな展開になるなんて、夢のようだ」

2019年のオフシーズン中、フォーネットは免許停止中に運転した上、スピード違反をして逮捕されている。罰金を科せられ、全国的な話題となった。フォーネットは思い出したくないであろうこの2年の間にフィールドの内外で苦戦した。当時ジャガーズフロントオフィスのトップだったトム・コフリンに叱責(しっせき)され、試合中の乱闘行為によって出場停止処分も受けている。

フォーネットにいい加減しびれを切らしたジャガーズは、今シーズンに先立ち8月後半に彼のリリースを決断した。

26歳のフォーネットはバッカニアーズにすがり、ブレイディと並んで重要な役割を果たす選手になりたいと考えた。シーズンの大半はRBロナルド・ジョーンズ二世のバックアップを務める形となったが、ジョーンズ二世のけがにともない、プレーオフではより中心的な役割を果たす。

フォーネットは「先発になれることを期待してこのチームにきたけど、思い通りにはいかなった」と話している。「シーズンを通して浮き沈みが激しかった。でもブレイディや“シェイディ”(レショーン・マッコイ)、RBコーチのTマック(トッド・マクネア)、それにコーチB.A.(ブルース・エリアンス)までもが俺と個人的に話してくれた。シーズン中に“君はどうなりたいんだ?”って聞かれた。勘違いしてもらいたくないんだけど、俺だって試合でボールがもらえなくて後から落ち込んだことはいくらだってあるさ。それでもエリアンスHCは俺と真剣に話してくれた。すべては俺の気持ち次第だったんだ」

現地24日(日)に行われたグリーンベイ・パッカーズとのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦の第2クオーター、フォーネットは20ヤードを走ってタッチダウンを決める。このプレーで手にしたリードをバッカニアーズはその後も手放すことなく勝利。フォーネットはキャリー12回で55ヤードと得点をこの試合で記録した。

「これまでの道のりに感謝している」とフォーネットは語った。「これで汚名返上できていたらいいのだけど。俺は周りに言われているような人間じゃない。俺はただフットボールと勝つことが好きでたまらないんだ」

フォーネットにはキャリア史上最高の勝利を手にするチャンスがやっと巡ってきた。

【R】