第55回スーパーボウルが少しずつ迫って準備にも熱が入る中、最も通常とはかけ離れたシーズンの、いつも通りのプレゲームのプログラムの一環として、カンザスシティ・チーフスのクオーターバック（QB）パトリック・マホームズとタンパベイ・バッカニアーズのQBトム・ブレイディがセンターステージに並んだ。

ただし、2人がステージを共にしたのは『Zoom（ズーム）』を介してだ。現地1日（月）、頂上争いを控えたQBたちは『NFL Network（NFLネットワーク）』のケイ・アダムスと共にスーパーボウルオープニングナイトに参加している。

約18歳の年齢差に隔てられた2人だが、お互いに敬意を抱いているのは明白だった。

25歳のマホームズは、スーパーボウルで対決するブレイディが43歳であるにもかかわらずまだ改善し続けていると考えており、そのことに驚きを示している。

「彼は毎年必ず良くなっているように見える。見ていて本当に驚くよ。そして、彼と対戦するのも信じられないようなことだ。だって、ベストと対決するってことなんだから」とマホームズは話した。

ブレイディとマホームズが対峙するのは第55回スーパーボウルが5度目となり、これまでの戦績は2対2というこう着状態だ。ブレイディは――当時はニューイングランド・ペイトリオッツと共に――2018年AFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）チャンピオンシップ戦でマホームズとチーフスを下した。これは今でも、マホームズのポストシーズン唯一の敗北となっている。

マホームズがその見事なプレーによって先発としてのわずか3シーズンでNFLを根底からひっくり返した際、そのスキルセットはブレイディを含む多くの人々を驚かせた。マホームズから何かの特性を盗み取れるとすれば何がいいかとアダムスから問われたブレイディは、2018年のMVPの才能を数多く挙げている。

「彼はとにかくポケットの意識がすごい。フィールドのビジョンも信じられないくらいで、いつボールを解放するかを正確に分かっている。ポケットでのバランス感覚がすごい」とブレイディは話した。

「彼には素晴らしく、しなりのある腕がある。僕がもうちょっと若いときにそうだったようなね。プレーを引き延ばす運動能力がある。フィジカルなツールとメンタルなツールのすべてがそろっている。僕の意見では、彼はかなり長くこのゲームにいるだろう」

マホームズは2度目の、そしてブレイディは7度目のスーパーボウル制覇を目指している。

ブレイディの経験はまさに、マホームズがスーパーボウル優勝を果たした次のシーズンに実行していることに対して感銘を受ける理由の一つでもある。

「チームをすぐにスーパーボウルの場まで再び連れてくるのは、信じられないくらいきついことなんだ。すべてのチームがベストの試合をしてくるし、毎週（が印象的だと）分かっているからね」とブレイディは言う。

「彼は若いうちにたくさんの独特なチャレンジに直面してきたし、それが彼の役に立っている」

スーパーボウル史上で最も素晴らしいQB対決になると多くの者が予想する試合が、日曜日にブレイディとマホームズの間で行われる。そしてお互いへの敬意は、称賛や能力と同じくらい、2人の中に行き渡っている。

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