2018年のホールドアウトで「身体をリセットし、キャリアを延ばすことができた」とチーフスRBベル
2021年02月03日(水) 12:072018年にランニングバック(RB)のリビオン・ベルはフランチャイズタグにサインすることを拒否し、シーズン全体をホールドアウトしたことよりNFLの歴史にその名を刻んだ。
それ以来ベルの結果は振るわないものの、その決断に後悔はないことを次のように話している。
「後悔はまったくしていないね。そんなことを考えたこともない。ホールドアウトしたことは長い目で俺のキャリアにとってプラスになると思っている。去年戻った時にはまたルーキーになった気分だったよ。フィールドに出て早くプレーしたくて仕方なかった。なんだろう、身体がリセットされた感じかな。俺の今後のキャリアにとってきっといいことだし、キャリアを延ばすことができた気がする」
フットボールから離れて2018年を過ごすことを選択したベルは、最終的にはより条件の良い契約を求めてピッツバーグ・スティーラーズを去り、ニューヨーク・ジェッツでそれを叶える。4年5,250万ドル(約55億1,000万円)の契約は金額面だけでなく、その契約自体が当時フットボール界で大きな話題となった。
だが、結局それは実を結ばなかった。スティーラーズとの最後の4シーズンは全て1,200ヤードを超えていたベルだが、2019年には787ランヤードとタッチダウン3回しか記録していない。1回のキャリーにつき3.2ヤードという数字はかなり期待外れなものとなった。その4年契約の2年目、たった2試合をプレーしたところでベルに見切りをつけたジェッツは彼をウェイバーにかけた。
カンザスシティ・チーフスに移ったベルは、行き先としてマイアミ・ドルフィンズとバッファロー・ビルズも検討していたことを現地2日(火)に記者たちに明かした。ジェッツで負け続けたことに嫌気がさし、とにかく勝てるチームに行くことを考えてチーフスを選んだと言う。そして今、彼はスーパーボウルに出場することになり、その選択の価値を見いだした。
興味深いことに、収入を最大化するためにキャリアの1年を棒に振ったはずが、今季チースフでベルはわずか100万ドル(1億500万円)しか稼げていない。彼の言葉を借りるなら“キャリアを引き延ばした”ことにより給料を受け取る期間は長くなるかもしれない。だが、泥沼の離婚劇となる前のスティーラーズで見せた、切り札となるようなRBの姿からはほど遠い。
ベルはチーフスに移ってから63回のキャリーで254ヤードと得点2回を記録している。西へ新天地を求めたベルの動きは一部で注目を浴び、紙面上では“スターRBのリビオン・ベルが爆発的なチースフの一員に?”といった見出しで期待が持たれていた。ところがチーフスの中でベルの影響力は微々たるもので、第55回スーパーボウルでの役割も最低限に留まると予想されている。
それでも優勝リングは優勝リングであることには変わりない、とベルはチーフスが日曜日に勝利をつかめば言うに違いない。身体がリセットされたとはとても思えないベルが、このような道を辿るとは誰も想像していなかっただろう。
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