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MVPにQBアレンを推すビルズWRディッグス

2021年02月05日(金) 12:13


バッファロー・ビルズのジョシュ・アレンとステフォン・ディッグス【AP Photo/Jeff Roberson】

バッファロー・ビルズのワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスはNFL界の他のクオーターバック(QB)の偉大さを認め、高く評価している。ただ、少しばかり自分のQBにも目を向けてほしいと思っている。

現地4日(木)の『Good Morning Football(グッドモーニング・フットボール)』に出演したディッグスは、チームメイトのQBジョシュ・アレンを推した。2020年に飛躍したアレンの活躍はこの1年で終わるものではないと言う。アレンのパスを一番受けている彼は、そのことをよく分かっているのだろう。

ディッグスは「俺は他の人とは違った視点を持っているような気がした」と説明し、次のように語った。

「俺に言わせれば、アレンはトップクラスの1年を過ごしている。自分を追い込んで全力で努力している姿を見てきた。他の大物選手の中で埋もれてしまうんだろうけどね。みんなラマー・ジャクソンやアーロン・ロジャースみたいに才能があって、数年前から活躍している選手が大好きだ。アーロン・ロジャースなんて長いキャリアを通してずっと活躍しているからね。彼は間違いなく殿堂入りする選手だよ。だから俺の僚友はちょっとかすんでしまうかもしれない」

「でもアレンが今年いかにレベルの高いパフォーマンスを見せたかを、俺はただ世間に認めてもらいたいんだ。彼のQBプレーを称えてほしい。1年を通してみんなが認めるような最高のプレーをしていたと思う。シーズンが終わったからって忘れないでほしい。最高の1年だったんだ。なんとかアレンをMVPに検討してもらえないだろうか。彼は俺のMVPだから」

アレンはディッグスのMVPであって当然だ。この豪腕QBと初めてプレーしたシーズンでディッグスはキャリアハイとなるキャッチ数(127回)とレシービングヤード(1,535ヤード)をマークし、両カテゴリーでNFLのトップに立った。ビルズは13勝を収め、カンファレンス内で第2シードを獲得。だがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンシップゲームに到達しながらも、現王者のカンザスシティ・チーフスを超えることはできなかった。

1年前、ミネソタ・バイキングスで最終シーズンを送っていたディッグスは、今季の半分程度のパスでプレーオフ進出を果たし、ディビジョナルラウンドでNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンとなったサンフランシスコ・49ersに敗れる。この時の敗北だけでなく、2シーズン続けてプレーオフに進出しながら途中敗退となった痛みがディッグスの中でくすぶっている。今季はスーパーボウルのチャンピオンを狙えると信じていたチームの一員だっただけに、ディッグスは気持ちを『Instagram(インスタグラム)』につづらずにはいられなかった。

ディッグスは「俺はチャンピオンになった気分だ。俺の頭や心の中ではね。覇者の気持ちだ」と話している。

「でもあの日、俺は勝っていない。勝っていないんだ。せめて相手が俺たちよりも強かったって認めて、最大級の敬意を払い、彼らを祝福したい。俺は外身も中身も誰かを嫌ったりするような人間じゃない。どこかのチームや選手を嫌ったりはしない。だから俺としては敬意を表して、充実したこの1年とまた戻って来られることに感謝したいと思っている」

「俺はいつだって気持ちはチャンピオンだ。覇者だ。でも負けたあの瞬間だけはそう思えなかった。ただ現実を受け止めて、俺たちが一歩およばなかったことを認めて、相手チームを祝福する。そうすることしかできない。彼らは俺たちよりいい試合をしたんだ」

ディッグスはバイキングスで今ほど中心的な選手ではなく、アレンほどハイレベルなQBとプレーしていたわけではない。ディッグスがチャンピオンになれる可能性はビルズとの方が高いと言えよう。ビルズが今のペースを維持できれば、今後はプレーオフでもっと先に駒を進めることができるだろう。

アレンがMVPを獲得することだって十分にあり得る。ただそれが今年ではなかっただけのことだ。

【R】