バーチャルオフシーズンやプロトコルは「賢いフットボールの形」を生んだとNFLPA常任理事
2021年02月05日(金) 18:21あと3日で、NFLは1試合も中止することなく2020年シーズンを完了することになる。そのためには選手、32チームとリーグオフィスが一体となることが要求された。これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中で刻まれたとてつもなく大きな功績だ。
完全にバーチャルとなったオフシーズンに続き、全てのプレシーズンゲーム中止が決まったのはほんの6カ月前のこと。COVID-19プロトコルは最終的に、選手たちのオフシーズンとインシーズンの活動に数多くの変化をもたらした。端的に言えば、国中の多くの人々と同様に、ビジネスの多くを自宅で行うことになったのだ。
今シーズンの試合も残すところあと1つ。焦点は間もなく、パンデミックが続く中での2021年リーグイヤーに移るだろう。現地4日(木)、スーパーボウルの年次記者会見でNFLコミッショナーのロジャー・グッデルとNFL選手会(NFLPA)常任理事のデモーリス・スミスがこの話題について見解を示した。
「われわれは多くのことを学んだと思う」とグッデルは述べた。「データを調べ、情報を調べたいと思っている。まだ公的な立場を取る時間でない」
「バーチャルが長期的にわれわれの生活の一部になるだろう。そういう機会はもっと増えるはずだ」
そのイニシアチブは間違いなく選手たちからも支持されるはずだ。スミスはリーグのニューノーマルについて、パンデミックの有無にかかわらず、特定の方策を盛り込むことについて進行中の議論があると述べた。
「長い間フットボール界で生きてきた彼らは皆、チームたちが違う形で動くのを見たことだろう」とスミスは言う。「しかし、少しだけ違った見方をしてみよう。それは今までよりスマートな方法だった。何時間も人々を施設に閉じ込めて時間をつぶす必要もなく、テレビ会議や『Skype(スカイプ)』、『Zoom(ズーム)』を使って仕事を進めることができた」
「より良く、スマートなフットボールのやり方だと選手たちが考えるものについて、われわれは引き続き彼らと話をする。そうしたものの中にはCOVID-19と無関係のものも多いと考えている」
チーム施設で過ごす時間は減り、ポジショングループ間のインタラクションは限定されたが、フットボールの質が落ちることはなかった。レギュラーシーズンでは新しい最多得点記録が生まれ、スリリングなポストシーズンと、第55回スーパーボウルでのカンザスシティ・チーフス対タンパベイ・バッカニアーズという大型マッチアップの舞台が整った。
各分野において最も偉大なアスリートとされる人たちは、習慣の生き物であることが知られている。しかし、彼らがパフォーマンスを落とすことなく、新しい習慣に適応できることを今シーズンは証明した。クリーブランド・ブラウンズのセンター(C)でNFLPA会長を務めるJC・トレッターは、確かに変化が良い方向に作用したと認めている。
「今年はいつもと違うやり方をした」と彼は述べた。「俺自身も感じているし、俺が話したチームメイトやリーグ選手たちの多くがシーズンの終わりに体調の良さを感じ、メンタル面でのシャープさを感じていた。施設で過ごす時間は減り、練習の回数も減った。俺たちは山ほど練習を繰り返すことが必要なんだという間違った事実を信じ込んでいたんだ。それで毎年、1年が終わる頃には体がボロボロになっていた。それからすぐにオフシーズンのプログラムに飛び込んで、トレーニングキャンプに向けてまた体を酷使する。常に酷使を続けていた」
「今年は違うやり方ができることを知り、それでもプレーのレベルは下がらなかった。かつてないほどエキサイティングなシーズンの1つだったと言ってもいいし、アメージングなプレーオフへとつながった。この1年は多くの変化を経験したよ。変化というのはいつでも怖いものだけど、俺たちはむしろ前よりずっといい状態で終わることができた。ここからはリーグと向き合う時間だ。これらの変化の中でどれを継続するべきかについて彼らと話し合う。関係者全員にとって、その方がいいからだ。ゲームは成長し、より良くなっている。俺たちも以前より健康になり、プレーを長くできて、選手たちはフィールドに残れるようになった。それは、関係する全員にとっていいことだ」
【M】