ブレイディとグロンコウスキーのSB出場に感嘆しつつ、「ほろ苦さ」を覚えるペイトリオッツFSマコーティー
2021年02月06日(土) 21:17トム・ブレイディとロブ・グロンコウスキーは現地7日(日)にいま一度、スーパーボウルの舞台に立つ。彼らが以前いたニューイングランド・ペイトリオッツの元チームメイトたちはそれを家から見守ることになる。
そうした元チームメイトの1人がフリーセーフティ(FS)のデビン・マコーティーだ。彼は40代に入ってもハイレベルでプレーし続けるブレイディの能力に今も感銘を受けつつ、仲間の活躍をどこか物悲しい思いで見守っている。
「あの2人は俺たちのチームを出ていき、学んだ全てを持ってタンパに行った。昨年はプレーオフにも行けなかったチームが今やワールドチャンピオンシップ優勝のチャンスを得ている。それは見ていてすごいと思ったよ」と5日(金)、『ESPN』に登場したマコーティーは述べた。「そしてもちろん、少しほろ苦くもある。あの2人にはできれば同じユニホームを着て、俺たちの横に並んでいてほしかったからね」
「でも、彼らが再びあの舞台に立ち、戦うのは本当にすごいことだ。トムほどのレガシーを持ち、リーグで残した実績があれば、これ以上やる必要なんてないはずだ。なのに、それでも彼は偉大さを見せ続け、毎年さらに強くなっていく。まったく信じられないよ」
ブレイディの成功は本当に信じ難い。2014年以降、スーパーボウルの優勝者には1年置きにブレイディが含まれている(2014年、2016年、2018年)。日曜日にバッカニアーズが勝てば、そのトレンドは継続されることになる。それは3度の王者を経験しているグロンコウスキーも同じで、彼はブレイディの横でダイヤモンドのちりばめられた全てのリングを獲得してきた。
だが、今回は大きな違いが1つある。ブレイディの勝利にペイトリオッツの名前が付随していないことだ。
20年にわたって空前の成功を収めたペイトリオッツは、2020年に現実に引き戻された。QBにキャム・ニュートンを据え、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で複数の重要選手がオプトアウトしてディフェンスに穴が開いた結果、彼らは7勝9敗に終わっている。ポストブレイディ時代のビル・ベリチックの最初の試験はそこまでひどい失敗だったわけではなく、QBの――それもブレイディという選手の――重要性が強調されたに過ぎない。
「俺たちはチームとして、組織として前に進んだと思うよ」とマコーティーは前世紀以来初めてブレイディなしで臨んだペイトリオッツの2020年シーズンについて述べた。「けど、俺たちはトム・ブレイディを失ったんだ。NFLのベストQBを失った。その代わりなんているはずがない。簡単に埋め合わせができるようなものじゃないんだ」
「それをはっきり実感した。トムを失い、それを処理して準備を始めるためのオフシーズンすらなくなってしまった。彼は過去20年にわたってNFLのベストQBだった男だ」
代わりに彼らはバーゲン価格でブレイディの後任を探さねばならなかった。そして、元NFLのMVPであるニュートンを選ぶ。1年契約を交わした際の彼のポテンシャルは未知数だった。それなりに実りあるスタートではあったものの、最終的にニュートンはポストブレイディのもやの中からペイトリオッツを脱出させることはできなかった。
彼らはポストシーズンに進めるほどの勝利を上げられないチームたちであふれる深淵(しんえん)へと落ちていった。彼らのシーズンが幕を下ろしてから1カ月、ペイトリオッツはその他大勢と一緒になって、再びスーパーボウルでプレーするブレイディを見守る。もし彼が勝ったなら、彼らの脳裏にはブレイディがニューイングランドにもう1シーズンいてくれたらどうなっていただろうとの思いばかりが残されることだろう。
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