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バッカニアーズDLに苦戦を強いられたチーフス攻撃陣

2021年02月08日(月) 17:26

カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/David J. Phillip】

しばしば言われることが、最大の舞台でまた証明された。フットボールはオフェンシブライン(OL)とディフェンシブライン(DL)の間の“塹壕戦”で決する。

タンパベイ・バッカニアーズは第55回スーパーボウルで攻守両面において圧倒的な力を見せ、スリリングな展開が予想されていた試合を一方的なものにしてしまった。最終的に、31対9でバッカニアーズがカンザスシティ・チーフスを下している。バッカニアーズはチーフスの先発タックル(T)が戦線から外れている事態を活用し、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズのドロップバックに何度もプレッシャーをかけ、その爆発力で知られるチーフス攻撃陣を抑え込んだ。残した数字の部分で、日曜日の夜はマホームズにとってファンタスティックなキャリアにおけるワーストに数えられる試合となり、パス49回中26回成功、270ヤード、インターセプト2回という結果に終わっている。パサーレーティングはわずか52.3で、ゲームの多くの部分を逃走に費やした。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、マホームズはボールを投げるまで、もしくはサックされるまでに、計497ヤード移動したという。ネクスト・ジェンが2016年に統計を取り始めて以来、QBが1つの試合中に記録したスクランブルヤードとして最大の数字にあたる。これまではめったに見られなかったような、マホームズがドロップバックして懸命にターゲットを探そうとする姿が、スーパーボウルの夜には典型的なものとなっていた。

マホームズは試合後、「俺たちはオフェンス全体として足並みがそろっていなかったと思う」と話した。

「俺はボールをタイミング良く出していなかった。レシーバーはルートを走っていたが、俺がいると思っていた場所にはいなかった。OLはいいときもあったし、相手を通してしまうときもあった。あんなふうに強いディフェンスを相手にするときは、攻撃陣として足並みをそろえなきゃいけないし、今日の俺たちはそうじゃなかった。だから、ひどいプレーになってしまった」

マホームズがタックルボックス外で試みたパス15回中、成功はわずか4回、28ヤード、インターセプト2回だった。ネクスト・ジェン・スタッツによれば、個々のプレーがその試合における得点に与える影響を見る数値であるEPAにおいて、ドロップバックがタックルボックス外に出た際の数値は合わせて-16.9となっており、マホームズのキャリア最低値である-6.0を2倍以上も下回った。マホームズのパスアテンプトにバッカニアーズが与えたプレッシャーは合計14回で、マホームズがそのうちパスをコンプリートできたのは5回のみ。ゲインは50ヤードで、インターセプトを1度喫している。

ヘッドコーチ(HC)のアンディ・リードはチーフスのOLについて「彼らがタフでなかったとは言いたくない。しかし、彼らをもっと良いポジションにつけるために、私にはもっとましな仕事ができたはずだ。彼らは全力で戦った。決してあきらめなかった。これがチャンピオンなのだ。ここまで戻ってくるだけでも、死に物狂いでやってきている。今日ばかりは悪い日になってほしくなかったものだが。けれども、すべてをOLの責任にする気はない。敗北するときには、皆一緒に敗北するのだ」と話し、次のように続けた。

「このゲームに関して言えば、彼らはわれわれよりも良いプレーをした。それは私の義務であり、これに関しては完全に私が責任を負う。私たちがやったようなことをして、あのように優れたフットボールチームを倒すことはできない。特に、このレベルではね」

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