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スーパーボウルで輝いた“プレーオフ・レニー”ことバッカニアーズRBフォーネット

2021年02月09日(火) 12:39


タンパベイ・バッカニアーズのレナード・フォーネット【AP Photo/Lynne Sladky】

現地7日(日)にタンパベイ・バッカニアーズのランニングバック(RB)レナード・フォーネットは、どん底から一気に最高点に達した。

元全体4位指名のフォーネットは8月末にジャクソンビル・ジャガーズからリリースされ、オールスター級の選手がそろうバッカニアーズに加入。不安定なレギュラーシーズンを乗り越え、カンザスシティ・チーフスを31対9で下したスーパーボウルではチームのラン記録をけん引した。バッカニアーズの優勝にはフォーネットが重要な役割を果たし、チームとの最初の――そして最後になるかもしれない――シーズンで功績を残した。

フォーネットは「誰の役にも立てなかった試合もあった。それも長い目で見たら“プレーオフ・レニー”が輝くためだったんだ」と試合後に『Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』のエドゥアルド・エンシナに話している。「バックスが大好きなフットボールをプレーする2度目のチャンスを俺に与えてくれたことに、毎日神に感謝している」

「“プレーオフ・レニー”だぜ!!!!」

2020年に1年契約を結んだフォーネットを来シーズンもチームにとどめることにバッカニアーズが関心を持っていると、試合に先立ち『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが報じていた。しかしながら、フォーネットが戻るかどうかは他のチームがどれだけ彼に興味を示すかにもよるとガラフォロは加えている。

スーパーボウルでのあのパフォーマンスを見た他のチーム関係者は間違いなくフォーネットに興味を持ったことだろう。この先いくつかの財布が緩むかもしれない。

フォーネットはこの試合の最高記録となった16回のキャリーで89ヤードを稼ぎ、チーフスのタックルを交わしながら猛攻を繰り出した。第3クオーターにはビッグプレーとなる27ヤードのタッチダウンを決めて、スーパーボウルでの一番の劇的なプレーを飾った。これまでパスゲームでの活躍を批判されてきたフォーネットだが、この日は4回のキャッチで46ヤードをマークしている。

チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは「彼は良くやった。チームはランゲームでうまく起用して、彼は走り抜いた」と記者たちにコメント。「バッカニアーズはさらにパスゲームでも彼にチェックダウンの役割を与えて、彼はそれもしっかりこなした。われわれは彼をカバーできるようにもっとディフェンスを磨かなければならない。それはともかく、今回は彼を褒めてやってくれ。見事な活躍だった」

フォーネットは重要な試合だということは理解していた。少なくともクオーターバック(QB)トム・ブレイディがそう信じさせていた。

フォーネットは「トムは、相手ディフェンスがキャリー後のヤード数もパス後のヤード数でもリーグで31位だってことを今週ずっと俺たちにしつこく言ってきた」と振り返り、次のように続けた。

「確かにランに対するディフェンスはそんなに良くなかった。俺はそこのところを誇りに思っている。彼らはタックルするのが嫌だろうって。相手のミスを誘い、さらにこっちからも一発食らわせる。試合が終わるころには誰もタックルしたがらない。まさにその通りになったんだ」

スーパーボウルでフォーネットは4試合連続――全てポストシーズンの試合――で2桁のキャリー数を記録した。レギュラーシーズン中は見られなかった数字だ。バッカニアーズにとって史上2度目のスーパーボウルで、レギュラーシーズンではほとんどなかった感触を得たようだ。

ブレイディは「立ち上がりは遅かったけど最後はやってくれた」とタンパベイ・タイムズに話した。「最も重要な場面であれだけのパフォーマンスができたことは本当にすごい。彼を誇りに思っている」

フォーネットを見捨てたジャガーズは今季にリーグで最下位となり、新天地となったバッカニアーズは世界一となった。これ以上ない形でシーズンを終えたフォーネットは間違いなく大きな印象を残した。だが、タンパベイがいつまで本拠地になるかは、今後のオフシーズンで答えが出るまでは難問となりそうだ。

「もとい、今は“スーパーボウル・レニー”だ」

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