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2020年のランゲームに不満を示すスティーラーズGMコルバート

2021年02月19日(金) 15:14

ピッツバーグ・スティーラーズのジェームス・コナー【AP Photo/Seth Wenig】

現地17日(水)にピッツバーグ・スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートがメディアに向けて発したメッセージの大半は、クオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーについてのあいまいな内容だった。しかしながら、コルバートGMが懸念しているポジションはQBだけではない。

2021年のQBが誰になろうと、スティーラーズはもっとランゲームから結果を出さなければならないと、コルバートGMはチームの記者団に対して強調した。

「私は人事面から検討するつもりだ。昨年の選手たち――オフェンシブライン(OL)、ランニングバック(RB)、ワイドレシーバー(WR)、QB――はいずれもランゲームで優れていたとは言えない。戦略はヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンをはじめとするコーチ陣に任せる。私から言えることは、プレー以外の面で戦略的に動く必要があるなら、目標を達成する手助けになる選手がチーム外にもいるかもしれないということだ」

スティーラーズのRBをけん引する4人は、2020年シーズンに合わせて1,230ランヤードを記録。トップ選手のジェームズ・コナーは13試合で721ヤード、1キャリー当たり平均4.3ヤード、タッチダウンは6回となっている。『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス/PFF)』によると、シーズンを通してコナーは接触後には平均わずか2.87ヤードしか稼げていないとし、突進する勢いに欠けていたと言える。25歳のコナーがフリーエージェント(FA)になるのを受けて、スティーラーズはRBのポジションを徹底的に見直す可能性が高い。

ランゲームから成果を挙げるにはグループ全体の努力が必要であり、ただ単に違うRBを起用すればいいというものではないとコルバートGMは指摘した。

「繰り返しになるが、これは集団での取り組みだ。RBやQBが良くなかったとか、OLが良くなかったとうい問題ではない。昨季のわれわれのランゲームから見て取れたように、全員が十分ではなかった。つまり、全員の努力が求められる。正直に言って、われわれはもっと強くならなければならない。トムリンHCが言っていたように、われわれの目標は優勝だ。ランゲームを武器にできるチームは優勝できると私は考えている」

昨季のスティーラーズのランゲームはOLのケガ人や効率の悪いプレーにより苦戦を強いられた。PFFによると、2020年にスティーラーズはランに対するブロックのカテゴリーで31位だったとのことだ。センター(C)のモーキス・パウンシーが引退してタックル(T)のアレハンドロ・ビラヌエバ、ガード(G)のマット・ファイラー、Tザック・バナー(ケガから復帰予定)の3人がFAとなり、スティーラーズのかつて強固だったOLも大幅な改造を避けられないかもしれない。

OLの再建を優先するかと聞かれたコルバートGMは次のように答えている。

「ご指摘の通り、アル(ビラヌエバ)はFAとなる。マット・ファイラーもだ。モーキスは引退し、ザック・バナーはACL(前十字靱帯)のケガから復帰する。不確定要素の多いグループを抱えているということだ」

「FAのマットとアルがどうなるかは分からない。モーキスが戻って来ないことだけは確実だ。その結果どうなるかは今のところなんとも言えない。ドラフトには中の選手よりもTに良い選手がいる。CとGは昔から良い選手がいないポジションだ。今年は珍しくTが充実している。ドラフトで選手を追加できると思っているし、FAにも絡めて選手を獲得したい。もちろん、まずは今いる選手を見直すところから始める」

スティーラーズはひっ迫するサラリーキャップを抱えながらのオフシーズンとなる。どうやらQBだけでなく、ロースター全体に見られる緊急度の高い課題に取り組むことになりそうだ。

【R】