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「いろいろな兆候がここを指し示していた」とカーディナルスDEワット

2021年03月03日(水) 10:52


J.J.ワット【AP Photo/Eric Christian Smith, File】

ディフェンシブエンド(DE)J.J.ワットは今、アリゾナ・カーディナルスのメンバーになった。衝撃が収まってきた現地2日(火)にワットが記者らに語った内容からすれば、その動きの理由はむしろ理解できるものだった。

ワットは入団会見にて、西へ向かう決断に影響した要素としてさまざまなもの――天候を含む――を指摘。その中で大きかったのが、ある1人の選手の存在とポテンシャルだ。

「見れば見るほど、いろいろな兆候がここを指し示していた。ここアリゾナで起こっていることには、たくさんのエキサイティングな要素がある」と言うワットは、クオーターバック(QB)カイラー・マレーに触れつつこう続けている。

「いつも言っているように、このリーグでチャンスを手にしたければQBが必要だ。そして、ここには若く、ものすごく才能があって、でかいことをやれるQBがいる。2年目から3年目に向かってさらに大きく飛躍できるだろうし、成長と進歩を続けてもっと良くなれる。それに、このリーグで一番優れたワイドレシーバー(WR)の一人であるディアンドレ・ホプキンス。もちろん、俺は彼のことをよく知っている」

ワットはマレーとボールの同じ側でプレーするわけではない(テキサンズでしばしばそうだったように、カーディナルスがゴールラインのパスキャッチャーとして投入しない限り)ため、フランチャイズQB以外にも要素はあるはずだ。馴染みのあることが、決断を下す際の後押しになるだろう。

「バンス・ジョセフが率いる守備スキームがある。俺はヒューストンの最初の3年で、ウェイド・フィリップスの下で彼と一緒にやってきた」とワットは言う。

「バンスはウェイドと同じようなスキームを使い、俺としてはものすごく馴染みがあるし、すごくやりやすくて、その中でプレーすることにわくわくしている。チャンドラー・ジョーンズ(LB)やブッダ・ベイカー(S)みたいな選手がいて、ディフェンスの選手全体が本当に若く、エキサイティングなメンバーがそれに続き、飛び回ってプレーを決める準備を整えている。ここに来て本当にワクワクしているし、うそをつく気は全くなくて、今朝起きたときに65度(約摂氏18度)で外が晴れていたのも悪くなかった。すごくいいね」

ワットはヒューストン時代のプロ2年目と3年目にプロボウルおよびオールプロのファーストチーム選出を果たした。これはフィリップスがテキサンズの守備コーディネーター(DC)を務めた最後の2年であり、この2年を含めてワットは4年連続で同じ栄誉に浴している。2年目にはサック20回を超え、マイケル・ストレイハンが残した単独シーズン記録(22.5)回まであと2回だった。同じシーズンにワットはAP通信NFL年間最優秀守備選手賞も受け、NFL界にその名をとどろかせた。

また、元チームメイトであるホプキンスの存在も大きかったようだ。

「このゲームでも最高のWRの1人がいるのは悪くないし、それが長いこと知っている友人ならなおさらさ」と話すワットは「フィールドのとこでもボールをキャッチし、タッチダウンを決めて、3人をかわしてヘイルメリーをキャッチできる選手がいるのは悪くない。それが自分のチームにいるんだから。このチームで彼とまた一緒になれてすごくエキサイトしている」と続けた。

「彼のプレーを最前列で見られるのがすごく楽しみ。彼とカイラーがクリフ(キングスベリーHC)のオフェンスの元、フィールドに一緒に立って彼らにできることをやるんだ。そのことに興奮しているし、ベンチでゲータレードを飲みながら彼らの仕事ぶりを見るのは最高だろうね」

NFLの公式スポーツドリンクが手元にないときには、自らのタンクに残された燃料に頼ることになるだろう。その残量はいったいどれくらいのなのか問われたワットは「たっぷりさ」と簡潔に答えている。

目新しいレッドで装いつつも、キャリア全体で親しんできた99番をつけてフィールドに立つことになるワット。それと相対するQBたちは、2021年にそのレッドをあまり目にしないで済むことを願っているだろう。

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