ニュース

パンサーズに移籍したLBレディックを絶賛するカーディナルスDLコーチ

2021年03月30日(火) 14:07


アリゾナ・カーディナルスから1巡目指名を受けたハサン・レディック【Greg Trott via AP】

ラインバッカー(LB)ハサン・レディックは期待外れな1巡目指名選手としてアリゾナ・カーディナルスでのキャリアを終えるところだった。だが2020年にそれは覆る。

カーディナルスとの4シーズン目にしてようやく実力を発揮したレディックは昨季に12.5回のサックを記録し、2017年のドラフト時に見せた輝きを取り戻した。その結果レディックはカロライナ・パンサーズと1年契約を結ぶことができ、800万ドル(約8億7,900万円)の契約金のうち600万ドル(約6億6,000万円)は保証金となる。

レディックは実力を証明するために意気込んでいる。元コーチの1人がそれを証言した。

カーディナルスのディフェンシブライン(DL)コーチのブレントン・バックナーは「パンサーズは逸材を手に入れた」と最近『ESPN』に話している。「彼は飢えている。フリーエージェント(FA)になるにあたって、かつての姿を見たいという周囲の期待を分かっていた」

「レディックは“いつだって自分に賭けてみる”と話していた。パンサーズはハングリー精神と優れた身体能力を持った、若く、そしてまだ成長過程にはあるけれど正しい方向に進んでいる選手を獲得したというわけさ」

レディックが自分に賭けてみるしかないのは、2020年にブレイクする以前のパフォーマンスを相殺するほどの結果をまだ積み上げていないからだ。サック12.5回という記録は数字としての見栄えはいいが、そのうちの5回はニューヨーク・ジャイアンツの弱小オフェンスラインを相手に1試合でもぎ取った記録だったため、実はまぐれだったのではないかと思われても仕方がない。

もっと論理的に説明すると、レディックは単に自分に合っていないポジションでプレーしていたとも言える。カーディナルスは3シーズンにわたって無理やりいろいろなポジションでレディックを試したものの、結局は諦めて最も適したエッジで彼を起用することに落ち着いたのだ。

パンサーズでレディックはテンプル大学時代に指導を受けたコーチと再会する。ヘッドコーチ(HC)のマット・ルールももちろんそうだが、特筆すべきは守備コーディネーター(DC)フィル・スノーの方だ。

レディックは「スノーについてはっきりと言えるのは、使える選手全員を同時にフィールド上に配置して、いくつものミスマッチを作り出すのが得意だということだ」と『ESPN』に話している。

パンサーズはまさにそれができるディフェンス陣を擁する。レディックはディフェンシブエンド(DE)のブライアン・バーンズにLBジェレミー・チン、柔軟性のあるプレーメーカーであるLBシャック・トンプソンとともに戦う。そのメンバーを考えたらパンサーズへの移籍の決断は難しくなかったと言う。

「インサイドのLBをやってみたけど、俺には合わなかった。FAになったらパスラッシャーとして起用してもらえるチームに移りたかった。俺はそれが一番得意だ。一番自信を持ってプレーできるポジションなんだ」とレディックは述べた。

レディックが新しいチームで自信を持てる理由はいくらでもあるだろう。1月になればリーグ全体に実力を証明できたかどうかも自ずと分かる。

【R】