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スーパーボウル3度優勝のWRジュリアン・エデルマンが引退

2021年04月13日(火) 07:31


ニューイングランド・ペイトリオッツのジュリアン・エデルマン【AP Photo/Charles Krupa】

ニューイングランドとプロフットボールで築き上げられたジュリアン・エデルマンの名高いキャリアが終わりの時を迎えた。

ニューイングランド・ペイトリオッツがフィジカルチェックに不合格だったことを理由にエデルマンの契約解消を決めてから小一時間経過した現地12日(月)、エデルマンがNFLからの引退を正式に発表したのだ。

ソーシャルメディアのアカウントを通じて動画でメッセージを発信したエデルマンは「自分のキャリアの中で簡単だったことは何ひとつない。今回も簡単にはいかないだろう」と話し始めた。

「これまでずっと、ホイールが外れるまでやり続けると言ってきたけれど、それがついに外れてしまった。昨年のケガで、フットボールからの引退を正式に発表することになった。難しい決断だったけど、自分と家族にとっては正しい決断だ。そして、1人のペイトリオットとして引退できることを光栄に思い、とても誇りに思っている」

「感謝しないといけない人たちがたくさんいる。(ペイトリオッツオーナーのロバート・)クラフトさん、クラフト家の皆さん、フィールドの内外で本当に多くのことを皆さんから学びました。ヘッドコーチのビル・ベリチック、一緒にやれたことは本当に光栄でした。ともに戦い続けたチームメイトのみんな、負けるときも勝つときも一緒、みんなはこれからもずっと俺の兄弟だ。コーチの皆さん、アドバイスをくれたり、アイデアをくれたり、必死に支えていただき、本当にありがとうございました。ペイトリオッツにいるすべての人たち、給仕担当の皆さんもそうだし、清掃担当、トレーニングスタッフ、機材担当の人たち、みんなとの思い出がたくさんある。これからもずっと忘れない。もちろん自分の家族にも感謝している。ずっと支えてくれてありがとう」

「人生で最高の12年だった。とてつもないものだったし、そう、ペイトリオッツネーションのみんなを忘れることはできない。みんなはこの地域をよく知らない俺のことも家族のことも受け入れてくれた。あの頃は何も知らなかった。でも、今は俺たちもみんなの一員だ。2つの言葉を残そうと思う。フォックスボロよ、永遠なれ」

ペイトリオッツを率いるビル・ベリチックHC(ヘッドコーチ)はチームが発行した声明の中で「NFLにおけるエリートキャリアを構成するもの、例えば勝利はもちろん、チャンピオンシップ、生産性など、あらゆる尺度から見てもジュリアンはすべてを兼ね備えている。ジュリアンの功績に匹敵する選手はほとんどいないと言い切れる。ただ、プロとしての軌跡と寿命を考えると、そのグループはさらに厳選されたものになる。歴史的なものだ。彼の伝説的な競争力、精神的かつ身体的なタフネスに加えて卓越したその意思への賛辞だ」と述べ、次のように付け加えた。

「来る日も来る日も、ジュリアンはいつも同じように全力を尽くしていた。チャンピオンシップのかかった盛大な試合やそういった瞬間には、さらに高いレベルに達し、最もスリリングかつ最高のパフォーマンスを見せてくれた。ジュリアンがチームのためにしてくれたことの中で、私が何よりも感謝しているのは彼が典型的な昔ながらの選手だったこと。キャッチもランもスローも、ブロック、リターン、カバー、タックル、あらゆることができ、そしてやれることはすべてやってくれた。そのすべてにおいて、いかなる状況であろうとも失敗を許さない気持ちと姿勢で取り組んでいた。ジュリアン・エデルマンは究極のコンペティターであり、彼をコーチすることができて光栄だった」

エデルマンはNFLに参戦するまでプレーしたことのなかったポジションで非常に素晴らしいキャリアを築いてきた。ケント州立大学でクオーターバックとして活躍した後、レシーバーに転向し、2009年NFLドラフトで7巡目指名されてペイトリオッツ入り。小柄なエデルマンはトム・ブレイディ(現タンパベイ・バッカニアーズQB)のお気に入りのターゲットとなり、最初のシーズンはパスキャッチ37回、359ヤード、1タッチダウンをマークしている。ペイトリオッツオフェンスの理想的なスロットレシーバーとして開花した2013年には初の1,000ヤードを達成して最終的には1,056ヤード、105回のパスキャッチ、6タッチダウンを挙げた。

それから3シーズンを経て、エデルマンはキャリア最大のハイライトを残すことになる。ヒューストンのNRGスタジアムで行われたアトランタ・ファルコンズとの頂上決戦で、芝上数センチというミラクルなパスキャッチを披露したエデルマンの活躍もあり、ペイトリオッツは歴史的な大逆転劇で第51回スーパーボウル優勝を果たしたのだ。さらにロサンゼルス・ラムズと対戦した第53回スーパーボウルではレシーブ12回、141ヤードを記録してMVPの栄光に輝いた。これがエデルマンにとって3度目にして最後のスーパーボウル優勝となった。

ブレイディが信頼を寄せるターゲットとして成長したエデルマンは2009年から2019年にかけてレシーブ599回、6,507ヤード、36タッチダウンをマークするとともに、スーパーボウルで3度のタイトル獲得に貢献している。

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