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元Cライアン・カリル、「ゲイズのシステムはQBダーノルドの進化を阻んだ」

2021年04月17日(土) 03:16

ニューヨーク・ジェッツのタイ・ジョンソンとサム・ダーノルド【AP Photo/Bill Kostroun】

ニューヨーク・ジェッツを外から見ている多くの人々はクオーターバック(QB)サム・ダーノルドの過去2シーズンの苦戦を見て、ヘッドコーチ(HC)アダム・ゲイズとそのスタッフの指導が悪かったのだと考えている。その理論はダーノルドが優秀な選手だということを前提にしており、コーチ陣が彼を成功に導けなかったのだという思考だ。

どうやら、それはメディアが作り出したイメージだけではないようだ。ジェッツのロッカールーム内にいた人物からもそうした見解が出ている。

引退したセンター(C)のライアン・カリルは、カロライナ・パンサーズで12年プレーした後に、2019年をジェッツで過ごした。彼は最近『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョー・パーソンに対し、ジェッツのシステムはダーノルドが安定したQBに進化することを妨げたと語っている。

「個人に多くの自由を与えるようなシステムじゃなかった。ほとんどの場合、“こうやるんだ、いいな”で終わり」とカリルは言う。「多くのスキームがサイドライン側から見た考えに基づいて、あらかじめ決まっていた。俺の見解だけど、あれじゃサムはのびのびと成長できないよ。臨機応変な判断ができるようにはならない。うまくいくこともあったけど、長期的にはハンディキャップになった」

「彼が進化して、自分で判断できるようにするシステムじゃなかった。それが一番難しいところだと思う。だから、最終的にジェッツは(コーチ陣を)変えることにしたんだろう」

お粗末だったのはコーチングだけでなく、彼らはダーノルドの周りに若い選手の育成に必要な武器や保護を用意することをしなかった。

ダーノルドは、パンサーズのHCマット・ルールと攻撃コーディネーター(OC)ジョー・ブレイディの下で成功できる才能とワークエシックを持っているとカリルは考えている。

「彼とはポジティブな経験しかしていない」とカリルはパーソンに語った。「ものすごく勤勉なやつだったよ。チームメイトをすごく気に掛け、チームやコミュニティーのことを気に掛けていた。向上を目指し、何事も当前だなどとは思っていなかった。彼はただ、自分にとって有益ではないシステムに入ってしまったんだ――それはあの当時そこにいた多くの選手たちにとっても同じだった」

ダーノルドの転落についてゲイズとジェッツを責め立てるのはたやすいことだ。だが、責任の一端は彼にもある。カロライナへ移ることで、ダーノルドは自身の苦戦が主に周囲の環境によるものだったと証明するチャンスを得た。もし再びプレッシャーに砕けるようであれば、23歳の彼に3度目のチャンスが与えられることは当分ないだろう。

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