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WRメットカーフがオリンピック陸上100mの選考会に本気で挑戦?

2021年05月06日(木) 00:06

シアトル・シーホークスのD.K.メットカーフ【AP Photo/Matt Ludtke】

昨年、伝説級の追走劇を見せた翌日に、D.K.メットカーフはアメリカ陸上競技連盟(USATF)から『Twitter(ツイッター)』で気軽な誘いを受けた。

彼は今、オリンピック級のブラフを仕掛けるつもりかもしれない。

『NBC Sports(NBCスポーツ)』によると、シアトル・シーホークスのワイドレシーバー(WR)はオリンピック選考会の前哨戦となるUSATFのゴールデン・ゲームズ・アンド・ディスタンス・オープンで100m走に出場する16人の1人になる予定だという。

イベントは現地9日(日)にカリフォルニア州ウォールナットで開催される。メットカーフ自身のツイートから判断すると、どうやらジョークというわけではなさそうだ。

「D.K.のエージェントはわれわれに、彼は本気でオリンピックに挑戦したいと考えていると言ってきました。そして、そのためにどのようなステップが必要なのかと尋ねてきました」とUSATFのマネジングディレクター、アダム・シュメンクは『Yahoo Sports(ヤフー・スポーツ)』のジェフ・アイゼンバーグに語った。「われわれは彼に標準記録について指南し、認可されたUSATFのイベントに参加しなければならないことを伝えました。そして、彼が参加を望む時が来れば、レーンを見つける手助けをすると伝えました」

さて、ここで重要な問題がある。本当にそんなことがメットカーフに可能なのか? NBCスポーツによると、彼が10秒05でゴールできれば、自動的にオリンピック選考会の出場資格を得ることができるという。少なくとも10秒2の壁は破らなければならない。公式認定には秒速2mを越えない追い風という条件もある。

こうした数字は短距離選手にとってさえ、かなり厳しいものだ。陸上用のスパイクを履いたのは、ハードル選手だった高校時代が最後だというメットカーフには相当荷が重そうだ。

だが反面、メットカーフは人間離れした身体能力を持っている。昨シーズン、セーフティ(S)ブッダ・ベイカーを猛追した際に、『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』は彼のトップスピードが時速22.64マイル――100mに換算すると9秒88に相当する――という数値を計測している。

「D.K.メットカーフは90ヤードのインターセプトリターンを決めたブッダ・ベイカーを追って114.8ヤードを走り、時速22.64マイルに到達した(ベイカーのトップスピードは時速21.27マイル)。これは今シーズン、タックルで到達した2番目に速いスピードだった」

ただし、当然ながら、スタートしてすぐにトップスピードに達するわけではない。一方で、パッドやヘルメットの重さからは解放されることになり、彼の挑戦は“フットボールスピード”と“トラックスピード”を比較する興味深い実験材料となりそうだ。

“フットボールスピード”が通用すれば、この夏にメットカーフはトレーニングキャンプではなく東京にやってくることになるかもしれない。

【M】