チーム施設外でのワークアウトの負傷には契約上の義務なし
2021年05月06日(木) 14:32オフェンシブタックル(OT)ジェイウワン・ジェームスのシーズンを終了させかねないアキレス腱の負傷は、そのサラリーについてや、デンバー・ブロンコスの施設以外の場所での負傷に対する支払は受けられるのかといった部分での議論を呼んでいる。
NFLが現地5日(水)に32チームへ覚書を送り、こういった状況についての明確化を行った。『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが覚書を入手している。
この覚書でリーグは各チームに、NFLの施設ではない場所で行われた、チームの監督下にないワークアウトでの負傷については、非フットボールの負傷と見なされると伝えた。すなわち、標準的な負傷の保証ではカバーされないということだ。ジェームスの2021年シーズンに対する1,000万ドルのサラリー――スキル、負傷、キャップ等の理由に対して完全保証されている報酬――は、今回の負傷が非フットボールに分類されるため、保証されないことになる。
最終的な判断はチームの裁量に任されるものの、ジェームスの負傷についてはブロンコスが2021年に1,000万ドルの支払いを控えることが可能になった。ブロンコスがどういった決定を下すかについては、今後分かるだろう。
覚書の全文は下記の通りとなっている。
「先日、デンバー・ブロンコスの選手であるジェイウワン・ジェームスがチームの施設以外のプライベートなジムでワークアウトしている際にシーズンを終わらせかねない重傷を負ったと報じられた。ミスター・ジェームスの1,000万ドルのパラグラフ5サラリー(ベースサラリー)はスキル、負傷、キャップの理由に対して完全保証されていた。複数のチームから、ミスター・ジェームスがシーズン終了の可能性があるこの負傷をブロンコスの施設以外のところで負ったことを受け、契約とのかかわり方について問い合わせを受けている」
「NFL施設以外の場所で選手が“独自で”行ったワークアウト中の負傷は“非フットボール負傷”と見なされ、典型的なスキル、故障、キャップ保証の範囲を外れる。こういった発生した年のサラリーを継続負傷はNFL選手契約のパラグラフ9にある保証によってカバーされず、チームには負傷が発生した年のサラリーを継続して提供する契約上の義務がない。」
「契約によって、クラブ施設で行われたワークアウト、もしくはチーム公認のワークアウトで起こった負傷は“フットボール関連の負傷”とされる。NFL選手会との合意によって“フットボール関連の負傷”を抱えた選手は手厚い保護を受ける権利がある。その保護の中には(1)パラグラフ5サラリーの支払い、(2)医療的措置、(3)年金(その負傷によって選手が3レギュラーシーズンにわたって貢献できなかった場合)、(4)キャリア終了の負傷後のシーズンで選手への支払いを行うインジャリープロテクションを含むその他の給付金が含まれる」
「メディアでの報道によれば、数人の選手がミスター・ジェームスの負傷が負傷への保証でカバーされないことに驚きを表明しているが、この点についてはNFL選手会とのオフシーズンプログラムについての話し合いで頻繁に議論されてきた。各チームは選手に対してチーム施設でのワークアウトを選択すれば手厚い負傷関連の保護が受けられること、および、NFL以外の場所でトレーニングすることで引き受けるリスクについて改めて周知することを推奨されている」
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