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プロフットボールの殿堂がメンタルヘルスプログラムを設立

2021年05月07日(金) 14:53


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

プロフットボールの殿堂は現地6日(木)、“Hall of Fame Behavioral Health(ホール・オブ・フェイム行動保健学)”を設立したことを発表した。現役および元選手とその家族のために特別にデザインされたプログラムであり、メンタルヘルスや行動医学に特化した療法を提供するネットワークを通じて、包括的な解決策を見いだすことを目的としている。

このプログラムは「選手や彼らをケアする人々を取り巻くメンタルヘルスや問題の治療から偏見を取り除き、アクセスしやすく、広まっていくようにすること」を使命として掲げている。

このプログラムをサポートするアンバサダーには、プロフットボールの殿堂の社長兼CEOを務めるデイビッド・ベイカー、殿堂入りを果たしているロニー・ロット、ブライアン・ドーキンス、スティーブ・アトウォーター、アンドレ・リード、ティム・ブラウンらが名を連ね、ワシントン・フットボール・チームのランニングバック(RB)エイドリアン・ピーターソンとボルティモア・レイブンズのディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベルも現役選手として参加している。

ドーキンスは声明の中で「メンタルヘルスを取り巻く偏見をなくす必要があり、それはアスリートも例外ではない」と述べている。「問題を抱えていたら助けを求めて、誰かに頼ってもいい。大丈夫じゃなくてもいい。だが、そのままでいるのは良くない。なぜなら、私たちの沈黙は自殺行為であり、私たちの家族にダメージを与えるからだ」

“ホール・オブ・フェイム行動保健学”は使いやすいコールセンターとホットラインを提供し、東はボルティモアから西はアリゾナ州ツーソンまで、審査を通り認定された全米12社の療法サービス提供者の中から治療やカウンセリングサービスをマッチングする。治療を行う者たちはキャリア後の移行、アイデンティティ、依存症、パフォーマンス不安、マインドフルネス、スポーツの文化といった問題に対処するためのトレーニングを受けている。

ベイカーは声明の中で次のように述べた。

「プロフットボールの殿堂は、フットボールというゲームの最も重要な要素である選手を守ることを常に念頭に置いている。ホール・オブ・フェイム行動保健学の使命は、プロフットボールの殿堂の卓越した基準を満たしたメンタルヘルスや行動医学に係るサービスを、殿堂入りしている元選手だけでなく、このゲームのすべてのプレーヤー、彼らをサポートする人々、そしていつかリーグでプレーすることを夢見る子どもたちに、簡単にアクセスして利用できるようにすることだ。プロフットボールの殿堂は、助けを求めることに対する偏見をなくし、選手の家族を何世代にもわたって守っていくことを約束する」

このプログラムの設立はプロフットボールの殿堂が進めている医療関連のイニシアチブの一環として最新の活動となる。2020年のはじめには“Hall of Fame Health(ホール・オブ・フェイム・ヘルス)”を設立し、健康サービスへの正式参入を表明した。

選手についてドーキンスは「私たちはいつまでも仲間だ」とコメント。「だからお互いにもっと気を配る必要がある。世の中にはたくさんの選択肢がある中、実現性があり、信頼できる選択肢としてホール・オブ・フェイム行動保健学が加わった」

NFLと各チームは“Mental Health Awareness Month(メンタルヘルス意識向上月間)”である今月、精神衛生上の問題を認識してもらうためにさまざまな施策を講じている。火曜日にリーグは選手やファン、一般の人々に向けてメンタルヘルスと健康を優先することを訴える一連のビデオを発表。インディアナポリス・コルツは“Kicking the Stigma(偏見をなくそう)”と題したキャンペーンを開始した。

先週行われた“Draft-A-Thon(ドラフタソン)”では、NFLが支援金を募ったパンデミック復興の4つの柱の中にメンタルヘルスを優先することが含まれ、最も被害の大きかった地域でパンデミックの復興を支援する非営利団体“Mental Health America(メンタルヘルス・アメリカ)”への寄付を募っている。

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