QBロジャースとパッカーズの状況を推測する関係者たち
2021年05月07日(金) 15:46アーロン・ロジャースの状況――もはやドラマと言ってもいい――についての話題は後を絶たない。
何が悪かったのか、これからどうなるのかを議論していく中で、グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)ロジャースを最もよく理解している人に確認するのは得策と言える。その役割に適任なのが、元パッカーズのワイドレシーバー(WR)で、現在は『NFL Network(NFLネットワーク)』のアナリストであるジェームズ・ジョーンズだ。彼はロジャースが抱える不満のうわさがどこから来るのかについて、興味深くもあいまいな説明を提供した。
現地6日(木)に『NFL NOW(NFLナウ)』に出演したジョーンズは、「俺はアーロンとよく話している」と述べた。
「彼とはよく話をするけど、ジェネラルマネジャー(GM)をクビにすることとは何も関係ないよ。新しい契約や金の話でもない。アーロン・ロジャースがグリーンベイ・パッカーズの一員になってから行ってきたすべてのことは、彼ではない。彼は、外に出ていろいろなことをリークしたり、チームを離れたいと言ったり、メディアにべらべらとしゃべったりするような男ではない。これまでの彼には見られなかったことだ」
「だから、誰がリークしたのか、誰が言い出したのかは知らないけど、アーロン・ロジャースの友人として彼ではないと断言できる。彼はこんな真似はしない。つまり、組織側も交えて彼とGMとヘッドコーチ(HC)が協力して進めれば解決できると思っている。つまりはそういうことだ」
ジョーンズの言うとおり、ロジャースは自分の不満のせいで世間を騒がすようなことをしたことはない。パッカーズが去年のドラフトで、ロジャースの武器となる選手を獲得する代わりに、後継者と目されていたQBのジョーダン・ラブを1巡目で指名した時でさえ、ロジャースは怒りを露わにしなかった。
これまでロジャースは自ら発信することなく、周囲に代弁を任せているような素振りを示してきただけに、今回のドラマは一段と珍しがられている。
先ごろロジャースと一緒にケンタッキーダービーに参加した元チームメイトのラインバッカー(LB)A.J.ホークも、木曜日のNFLナウでジョーンズと同じコーナーに出演している。ホークはジョーンズの言葉を補強すると同時に、溝になりつつあるこの明白な対立は一夜にしてできたものではないと指摘した。
ジョーンズの言葉通り、ロジャースが残っている中でパッカーズはわざわざ犠牲を伴って勝つことに全力を注ぐことはしないだろう。ロジャースとの今の契約が終わった後もパッカーズが彼にコミットする可能性もある。
ホークは「これは一つのことではない」と述べている。「つまり、あることが突然起こったわけではない。アーロンはとにかくこのことを公にしたくなかったんだと思う。だから今は釈然としない状況だし、パッカーズもアーロンも非常に厳しい状況にはあるけど、何とかなることを期待している」
一方で明るい話題として、ホークはロジャースの「周りは暗い雰囲気ではない」と話した。とはいえ、「アーロンとフロントオフィスの間にどんな溝があるのかを解明するのは、困難な戦いになるだろう」との意見も示している。いずれにせよ、両者がそのうちに何らかの解決策を見つけられるとジョーンズもホークも考えている。
今のところ、ロジャースとパッカーズの間に何が起こっているのか、占い同然に手元の情報を読み解いて判断しようとしている外野にできることといえば、ロジャースに最も近い人たちから情報を引き出すことくらいだ。だが彼らもまた、このドラマには誰にとっても幸せな結末は待っていないと感じているようだ。
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