ニュース

シーズン半ばになっても「プレーコールが覚えられなかった」バッカニアーズQBブレイディ

2021年05月14日(金) 23:53


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Brynn Anderson】

ニューイングランド・ペイトリオッツで20シーズンを過ごし、タンパベイ・バッカニアーズに移籍したトム・ブレイディは、そこでの1年目のシーズン終盤に8連勝を決めて、バッカニアーズにロンバルディ・トロフィーをもたらした。

しかし、全てが何の問題もなく進んだわけではないという。G.O.A.T.(史上最高)と称されるブレイディといえど、新しいシステムを学び、新しいチームメイトたちと信頼を築くには時間がかかったそうだ。

ヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスは一貫して、オフェンスはブレイディのものだと強調し、彼の好むプレーができるよう配慮していたが、それでも43歳のQBが本調子になるまでは調整にしばらく時間を要した。

ブレイディはポッドキャスト『HODINKEE Radio(ホディンキー・ラジオ)』で、新しいプレーブックへの移行はシームレスとはいかなかったと語っている。

「1年の半分くらいが過ぎても、僕はまだプレーのコールについて悩んでいた」という彼の言葉を『JoeBucsFan.com』が伝えている。「リストバンド(でプレー)を見て、次の動きを思い浮かべようとした」

「完全に新しい言語を学ぶようなものなんだ。20年間英語を話してきたのに、誰かから、“よし、スペイン語で話そう”なんて言われたら、“は? ちんぷんかんぷんなんだけど”ってなるだろう」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックもブレイディの適応を難しくした。コーチ陣とのオフシーズンワークはほとんど中止され、選手たちはフィールド上でお互いの関係や信頼を築くことができなかった。

「だから、みんながお互いを知るのに長い時間がかかったよ」とブレイディは言う。「通常よりずっと長い時間がね。でも、最後の6週間は本格的に勢いに乗り始めた。お互いをすごく信頼できるようになったんだ。あれは本当に独特の経験だった。もう2度としたくはない経験だけど、僕らは最大限うまく切り抜けたと思う」

ブレイディがタンパに移り、すぐにバッカニアーズをスーパーボウル優勝に導いたことは、この先伝説として語り継がれるだろう。その物語には不安定なシーズンスタートも含まれるはずだ。第9週にはライバルであるニューオーリンズ・セインツに3回インターセプトされたこともあった。

そんな状態からブレイディとバッカニアーズは浮上し、ポストシーズンへと突き進む。ポストシーズンの4勝を含む最後の8勝で、バッカニアーズのオフェンスは一度も303ヤードを下回ることなく、1試合平均413ヤード、33.88点を記録した。

2021年も同じメンバーが戻ってくることになっており、ブレイディとバッカニアーズは昨シーズンを終えたのと同じ場所からスタートすることになる。

【M】