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元WRジュリアン・エデルマン、バッカニアーズ加入のうわさに終止符

2021年05月21日(金) 10:56

ニューイングランド・ペイトリオッツのジュリアン・エデルマン【AP Photo/Elise Amendola】

ジュリアン・エデルマンの引退を受け、多くのファンがニューイングランド・ペイトリオッツにエデルマンがもたらしてきたたくさんの美しい思い出を振り返り、偉大なワイドレシーバー(WR)に感謝の念を抱いた。

ペイトリオッツに、という部分が、エデルマンの直近の未来にとって最も重要なフレーズだ。先日、エデルマンは『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・アーヴィンに対し、引退発表の直後からタンパベイ・バッカニアーズに向かうのではないかとうわさされてきたものの、そういったことは起こらないと話している。

「俺は1チームにとどまる男だ」とエデルマンは『Michael Irvin Podcast(マイケル・アーヴィン・ポッドキャスト)』で語った。

20年にわたって、クオーターバック(QB)トム・ブレイディは1チームから動かない男だった。タイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーは9シーズンにわたってそうだった。そして、2人とも今はタンパにいる。フリーエージェント(FA)になったブレイディがタンパに移った後、グロンコウスキーは引退から復帰し、旧友と合流すべくバッカニアーズへのトレードを要求したのだ。

しかし、その言葉に基けば、エデルマンはそれには当たらないようだ。それには主に引退の理由が関係している。エデルマンのひざはもう、過酷なフットボールの世界にもう耐えられない。

「俺のひざは壊れている。ここにとどまるつもりはないんだ。望むものはすべて手に入れた」とエデルマンは説明している。

「3つのリングを手に入れて、奇跡のような王朝でプレーし、信じられないフランチャイズコーチがいて、史上最高のQBがいた。俺はがめつい人間じゃない。俺は勝つためにプレーし、戦うためにプレーした。その他に証明しなければならないものなんてない。自分がしたことに満足しているし、すべてをフィールドに残してきた」

エデルマンが言う通り、キャリアがここで幕を閉じたのだとしたら、その功績はNFLの歴史の中にどう位置づけられるだろうか? エデルマンは間違いなく、20年にわたるペイトリオッツ王朝の後半のカギを握る選手だった。第51回スーパーボウルの逆転劇を可能にしたスーパーキャッチの記憶は色あせない。11シーズンでキャッチ620回、6,822レシービングヤードを記録したエデルマンは、スーパーボウルを3度制している。

しかし、そういったエデルマンのペイトリオッツでの活躍を、NFL史に残る選手であると考える根拠にすることは必ずしもできない。エデルマンがいつかペイトリオッツの殿堂入り選手になるのは間違いない。だが、プロボウルやオールプロに選出されたことはなかった。また、ポジション内でトップ3やトップ5に入ったこともない。『Twitter(ツイッター)』でどんな意見が出ようが、単純にエデルマンはプロフットボールの殿堂に入る選手ではない。

エデルマン本人もこのことを把握し、その上で自分のキャリアには満足している様子だ。ケント州立大学出身のエデルマンのキャリアは、ドラフト7巡目で指名を受け、QBからWRへの転向を求められることで始まった。

「俺はここで何かを主張するつもりはない。殿堂に入るためにプレーしたわけでもない。そういう話が出るだけでも栄誉だね。何かがあっても、俺がそれを気にすることはないと皆分かっている。俺が気にしているのはここ“Inside the NFL(インサイド・ザNFL)”での新しい仕事のことさ」

それは正しいアプローチであり、決断や強い望み、疲れを知らない仕事への姿勢によってNFLキャリアを切り開いてきた者に典型的な態度だ。ニューイングランドで決して忘れられることのない選手にとって、それは十分すぎるほどだろう。

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