QBウィルソンをめぐる話題は「古い」とシーホークスのキャロルHC
2021年05月22日(土) 16:44シアトルにおけるラッセル・ウィルソンのドラマは葬り去られた。ピート・キャロルは口が酸っぱくなるまでそう言い続けるだろう。
フットボール界ではシカゴへのトレードのうわさも含め、ウィルソンの状況に関する議論に多くの時間がかけられてきたが、最終的には2021年ドラフト開始前に煮詰まり、霧散してしまった。現在、グリーンベイで巻き起こっているアーロン・ロジャースのドラマに比べれば、フランチャイズクオーターバックやNFLのスター選手を巻き込んだとしても、激しさは幾分穏やかだろう。
シアトル・シーホークスの指揮官を務めるキャロルHC(ヘッドコーチ)に言わせれば、そもそも大したことではなかったのだ。
現地21日(金)、『Rich Eisen Show(リッチ・アイゼン・ショー)』に出演したキャロルHCは「もう長らく経っているので、これについて話すには相当に古い話題に思える。彼の言ったちょっとしたことが、あまりに大きな話題になってしまったのだ。このプロセス全体を通して、ラッセルも、われわれも常にやり取りはしていたし、ずっと話もしている。コミュニケーションが取れなかったことは一度だってない。今回だってそうだ。われわれの誰もが頭の中にあることを強調して言ってしまい、それが実際とは異なる形で伝わってしまうことがあるように、話していた当時の彼はフラストレーションを感じており、いくつかのことが大きく取り上げられ、疑問視されたのだ」とコメント。
「とても良いオフシーズンを過ごせており、かかわり合いになりたくないようなメディアの報道が続いていたが、ジョン(シュナイダー/ジェネラルマネジャー)も私も、そこにかかわりたくなかったし、ラス(ウィルソン)はそれが発覚してから彼にできることはやっていた。つまり、いろいろ言われていても、それはそれとしてその様子を見ながらできるだけ静かにしていた。焦点を絞り直し、自分たちが同じ視点で考え、どんなふうに見られようとも耐えられるようにし、それを実行した」
報道との関わり合いを拒み、時間の経過とともに沈静化していくのを見守ったシーホークス。多くの人がウィルソンをめぐる超大型トレードを知らせる電撃ツイートを覚悟していた一方で、シーホークスはワゴンを囲み、一斉に口を閉ざしていたのだ。
ここしばらく、ウィルソンからの発信はなかったが、この方法は効果があったようだ。
キャロルHCはアイゼンに対し、ウィルソンが「チームにもコーチングスタッフにも、これから始まるシーズンに向けても気合いが入っている」と明かしており、それこそが、ウィルソンのような優秀なプレーヤーに人々が期待すべきことと言えよう。