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元ペイトリオッツ、コルツKのアダム・ビナティエリが引退の意向を表明

2021年05月27日(木) 11:03


インディアナポリス・コルツのアダム・ビナティエリ【AP Photo/AJ Mast】

驚くべき足の持ち主にしてどんな天候でも仕事を成し遂げてきたキッカー(K)アダム・ビナティエリが、名高いキャリアに幕を引く。ビナティエリは何度もスーパーボウルに出場し、勝利をつかむプレーで魅了し、過去20年以上の間で誰よりも多くのポイントを獲得してきた。

らしくない苦戦を強いられ、けがも長引いた2019年シーズンを終えたビナティエリは、2020年にプレーしていなかった。そのビナティエリが今、引退の意向を表明している。

ビナティエリは現地26日(水)に、かつての長年のチームメイトの番組である『The Pat McAfee Show(パット・マカフィー・ショー)』で引退の意向をこう語った。

「こういうふうに言わせてもらおうかな。今日は水曜日で、金曜日までには、書類がうまくいけばだけど、君がこれを最初に聞いたことになる」

2025年にプロフットボールの殿堂入りの資格が生じるビナティエリは、NFLで20年以上を過ごして引退する。複数のフランチャイズで250回以上のフィールドゴールを決めたKはビナティエリだけだ(インディアナポリス・コルツで336回、ニューイングランド・ペイトリオッツで263回)。

Kがやってきては去っていくNFLにおいて、素晴らしい日とは当然期待されるものであり、調子の悪い日はリリースへとつながる。だからこそ、ビナティエリは見過ごされがちなスペシャルチームの世界においてこれだけ特別な存在となっている。

48歳でキャリアを閉じるビナティエリは、自分の年齢の半分ほど(24シーズン)をNFLで過ごしてきた。

ビナティエリは4度のスーパーボウル制覇を経験。3回をペイトリオッツ、1回をコルツで、それぞれトム・ブレイディとペイトン・マニングという偉大なクオーターバック(QB)と共に遂げている。

ビナティエリが1996年に22歳でNFLデビューを果たしたとき、ブレイディは19歳だった。

2020年と2021年のNFLドラフトで全体1位指名を受けたジョー・バロウもトレバー・ローレンスも、ビナティエリがルーキーとしていずれ3度のオールプロとプロボウル選出を果たすキャリアをスタートさせたときには生まれてすらいない。

NFLにおける歴代獲得ポイントリーダーたちの中で、2,637ポイントを集めたビナティエリは殿堂入りプレーヤーであるモーテン・アンダーセンの2,544ポイントを越えて首位に立っている。しかし、それもビナティエリが残した数々の記録の一つに過ぎない。ビナティエリは最多フィールドゴール(599回)、フィールドゴール連続最多成功記録(2015年から2016年に44回)、最多100点超えシーズン(21シーズン)、最多プレーオフ得点(238ポイント)、最多連続得点試合(32試合)などの記録を残した。これらの記録をさらに印象的にするのは、キャリア通算365試合という数字はアンダーセン(382試合)に次ぐ2位だということだ。つまり、ビナティエリはセインツの有名Kを、多くのカテゴリーにおいてより少ない試合で上回ったということになる。

ビナティエリが最も輝き、その伝説を真に物語るのは、ゲームの重要な局面での活躍だ。ポストシーズンのフィールドゴール56回は、他のすべての人々を17回以上、上回っている。スーパーボウルでのフィールドゴール7回に匹敵するのはスティーブン・ゴストコウスキーのみとなっている。

第36回スーパーボウルでビナティエリが48ヤードの位置に立つまで、この最大の舞台の勝敗が最終プレーで決したことはなかった。ビナティエリはこの試合でペイトリオッツに初のスーパーボウル優勝という結果をもたらしている。

第38回スーパーボウルでペイトリオッツを2度のスーパーボウル覇者にしたのも、ビナティエリの41ヤードのキックだった。

2019年10月27日、コルツがデンバー・ブロンコスと対戦した試合の残り26秒という状況で、落ち着き払ったビナティエリは51ヤードのフィールドゴールを決めた。15対13でコルツが勝利を収めたこの試合でのキックが、ビナティエリが輝かしいキャリアで最後に決めたウイニングショットだった。

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