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ライオンズのルーキーOTスウェル、ライトへの転向は「それほど簡単じゃない」

2021年05月29日(土) 00:00

ペネイ・スウェル【Todd Rosenberg via AP】

ペネイ・スウェルの指名によって、デトロイト・ライオンズはブックエンドタックルを手に入れた。だが、ブックエンドを機能させるためには、一方のエンドが反対のエンドに慣れる必要がある。

その役割を担うのがスウェルだ。オレゴン大学出身のルーキーは、圧倒的な強さ、パワーと爆発力を持ち、見るものを驚かせる。彼はいずれ、世代のタックル(T)とみなされるようになるかもしれない。理想的には、そうしたタイプはレフト側でプレーすることが多い。だが、スウェルはライト側でプレーすることになる。そのための調整を彼はルーキーミニキャンプとOTA(チーム合同練習)で始めている。

「そんなに簡単なことじゃない」と現地27日(木)、彼は『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』に語った。「これがさ、全く違う感覚なんだ。まるで、右利きの俺がこれまでずっと右手で字を書いてきたのに、ある日突然、左手でフルネームをフルスピードで書けって言われたようなもんさ。右手と同じスピードでね。だから、多少のアジャストは必要だよね」

過去にも同様の発言をルーキータックルたちから聞いたことがある。最近では1年前に、アイオワ大学のトリスタン・ワーフスがレフトタックル(LT)不足のチームたちから転向を視野に入れて検討されていた。ワーフスはこれについて、もう少し独特の表現をしている。「いつもと反対の手で尻を拭くような感じ」というのが彼の感想だ。「最初はちょっとやりにくいけど、段々慣れるものだよ」

幸いなことに、彼はそれほど長い間スイッチについて悩まずに済んだ。彼を1巡目で指名したタンパベイ・バッカニアーズは彼を右サイドに置いたまま使い続けたからだ。結果、彼の指名は大成功となり、PFWAオールルーキーチームに選ばれ、2020年のスーパーボウルで優勝を果たしている。

しかし、スウェルの方は近い未来のポジションについてすでに決定しており、時間は少し必要だろう。

「彼はルーキーらしく見える」とライオンズのヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルは述べた。「だが、人として大きいね。見た目は予想通りだ。中身はというと、有能で、ハングリー、アグレッシブだ。まずは落ち着いて、みんながどうやるのかを見てみよう。流れを見て、フットワークに注意して、一歩ずつ踏み出す。リズムを取り、耳を傾ける。たった3日間のうちに、彼にはすでに改善が見られる。今はそれで十分だ。彼が来てくれて良かったよ。彼こそわれわれの望んでいた選手だ」

ほとんどのクオーターバック(QB)が右利きであることから、ライトタックル(RT)はブラインドサイドを守ることがなく、ラインの右サイドはプレッシャーがわずかに少ないというのが伝統的ロジックだ。だが、今日ではブラインドかどうかはあまり関係なく、毎シーズンのように進化するエッジラッシュをシャットダウンできるかどうかが重視されるようになった。

そのためTはこれまで同様に貴重な存在となっており、LTの方がわずかに重要度は高いものの、思ったほどの差はないというのが実情だ。どちらのエンドに配置されようとも、スウェルはデトロイトで大任を担うこととなる。

「俺はチャレンジが大好きだし、それを楽しみにしているんだ」とスウェルは述べた。「高校時代を思い出すよ。そのポジションで成長するのが楽しみだ」

ポジションを学びながら、彼は新しいチームメイトたちを理解し、ライオンズのオフェンスラインのやり方を理解しなければならない。結局は、どの足が先かということより、そちらの方が重要になるだろう。

8月が来る頃には、スウェルは新たなポジションを完璧にマスターしているはずだ。そして、オレゴンでしていたように、相手のディフェンダーを完膚なきまでに打ちのめす準備ができているに違いない。

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